本保総観審、08年は観光庁の施策決定が重要課題−各省庁との連携強化も推進

  • 2008年2月6日
 国土交通省大臣官房総合観光政策審議官の本保芳明氏は、2008年の方針を語り、「(10月1日の設置を予定する)観光庁が、どこに重点を置いて施策を展開するのかを決定すること」が最も重要と語った。方向性としては、「新組織は新しいDNAで」と語り、「旧運輸省や国土交通省などは関係なく、広く官民から英知を結集し、『ひらけた観光庁』にしたい。また、観光立国基本計画のミッション達成のための道具として最大限活用する」とした。 

 他省庁との連携については、「機能として最も求められていること」とし、「文部科学省と農水省などからの出向者数や民間からの人数を、できれば倍増したい」とした。また、文化庁や外務省は、「日本の文化を外に伝える、という意味で活動に共通点がある」と語り、協働の内容を具体化していく方針を示した。これら他省庁との協働は、「観光庁ができたとしても投入できる予算など資源は限られている。他省庁の持つものをできる限り活用する」という考えに基づくものでもある。

 ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)については、国際観光振興機構(JNTO)の各海外事務所の目標数値を設定しているところ。目標値は、「好調とはいえ風向きが変わるとどうなるか分からない」との意識から、「かなり背伸びをした数値」をめざすという。JNTO海外事務所ごとの目標を設定した後は、その数値を各運輸局に実績別に割り当てる予定。1000万人の目標達成の前倒しには期待を示しつつ、「この2年から3年間の好調さがこのまま維持できるとは限らない」と慎重な姿勢だ。

 また、観光圏整備法に関しては、整備計画の提出が前提であるが、「計画を立てただけでは意味がない」とし、「各省庁の縦割りなど、(計画実行の妨げとなる)課題を是正するとともに、行政として、コンサルティングなど『自ら地域に入っていく』役割も重要」と語った。コンサルティング機能については、実際に現在も実施しているものの、さらに効果を挙げられるよう、専門組織の設立も検討している。