[総評]　旅行会社の事業再編が今週の1位、2位を占めました。5位のJTBワールドバケーションズまでの上位5記事のうち3つが、体制変更への関心が集まりました。3社とも業態が異なり、日通はエアオンホールセーラーの再編、トップツアーは地域に専門特化する会社の解散、そしてパッケージホールセーラーの商品造成に向けた体制変更ですが、旅行会社の組織、あるいは仕事の「流れ」を変えなければならないことが伝わってきます。このところの航空座席の予約のしにくさ、ホテルの客室の仕入れの難しさ、などの状況から、これまで細分化し、効率化を求めてきた旅行業ですが、専門性を高めながら、かつ総合的な理解を深めながら仕事を進めないと、対応ができなくなってきていることを表しているように思います。

　これは、組織としてだけでなく、旅行業に身をおく一人ひとりが求められていることでもあります。例えば、インターネットで情報を仕入れ、かつ現地での経験豊富な消費者に対応する店頭スタッフ、あるいは営業担当者は、消費者に納得してもらう説明をするためには、旅行業界でしか知りえないことを背景にしながら、消費者と同様の現地の情報を持っている、そんなことが求められているのでしょう。最近の旅行会社からは、「質」や単なる安値ではないという発言を多く聞きますが、具体的にどのような体制で「質」を高めるかということは、スタッフ一人ひとりが専門性と総合性の双方を高めていくことが求められている、ということでしょうか。質の高い商品の提供で適正な利益をあげ、ひいては旅行業界に身をおく私たちのフトコロに還元される、と期待しましょうか。（鈴木）


▽トラベルビジョン・記事ランキング（1月第3週：1月14日〜1月18日午後6時）
第1位
◆日通旅行事業部、旅行子会社を再編−NTSに統合、OTS、NNTは解散へ(1/16)

第2位
◆トップツアー、子会社の日中旅行社を解散、事業は継承−業績不振から(1/17)

第3位
◆ビザまめ知識（4）−ビザ申請却下の事例と注意（その2）(1/17)

第4位
◆エバー航空、夏期スケジュールで関空／ロス線開設の方針−台北／関空も増便(1/15)

第5位
◆JTBワールドバケーションズ、4月1日に組織変更−方面別に企画や仕入一体化(1/18)

第6位
◆スイス・インターナショナル、日本人CA16名を採用−デイリー化でサービス拡充(1/15)

第7位
◆全日空、アジア戦略室を立ち上げ−首都圏空港拡大を視野、LCC検討も(1/16)

第8位
◆IATA普通運賃、太平洋線13％値上げ−燃油サーチャージ額の縮小で調整へ(1/17)

第9位
◆シンガポール航空、航空運賃を総額表示に統一―自社広告やホームページで(1/16)

第10位
◆ルックJTB、08年も「スーパーパッケージ」で全市場に正対−07年は141万見込み(1/18)