西遊旅行の「神秘の王国ブータン」、第14回ツアーオブザイヤーに選出

応募数は、海外部門の募集型企画旅行は78件で、前年から6件増加し、そのうち5件が観光局や大使館からの推薦を受けた。受注型企画旅行は6件、奨励賞は34件で、国内部門は34件であった。
全体の傾向としては、昨年に続きヨーロッパのエントリーが最多となり、特にロシアや中央の商品が目立った。結いでアジア方面が多く、上位2方面で全応募件数の半数以上となった。鉄道に焦点を当てた商品や、壮大なコンセプトを柱に複数のツアーをまとめたシリーズ作品の応募も多く見られた。
一方、「盛りだくさん グッドスイーツ ショコラの楽園! ベルギー・パリ7日間」や、「かわいいパンダの1日飼育ボランティア」など、セグメントを絞った商品が多く寄せられたが、全体的に「小粒でインパクトに欠ける」という評価になり、作家やバイオリニストなどの著名人の同行ツアーなどからは、「確実に集客を見込める安全志向」が伺えたという。
▽専門性、企画者の想いを評価−来年はネーミングのセンスも加味
西遊旅行の「神秘の王国ブータン」は、祭りの鑑賞を主軸とし、民族衣装の試着や国技である弓道の体験、伝統風呂ドツォでの入浴、仮面舞踊の干渉、民家や紙漉工房の訪問など、さまざまな文化体験を通してブータンの魅力を伝えるもの。30年以上ブータンに取り組んできた同社の企画のきめ細かさ、愛情を持って造成する企画者の想いが伝わる内容が評価された。また代表的なパロの祭り以外にも各地の祭りを取り上げ、多彩な13コースを設定、秘境でも年間146人を集客したことが評価に繋がった。
今回初めて募集した国内旅行部門では、ANAセールスの「ANAスカイホリデー 感動案内人プラン」がグランプリを獲得。これは、その地で生活するガイドが「感動案内人」として同行する着地型商品で、プランや体験の設定に関しても受入側の意見を多く取り入れるなど、「訪問先の人との触れあいという原点に戻った」商品だ。
なおツアー・オブ・ザ・イヤーは、日本旅行作家協会会長の兼高かおる氏を審査委員長として、サイバー大学学長かつ早稲田大学客員教授で日本旅行作家協会評議員の吉村作治氏、JATA会長の新町光示氏、新潮社常務取締役の石井昴氏、国土交通省総合制作局観光事業課長の花角英世氏ら8名の審査員が選出。審査項目は斬新さや独創性、開発・創造性(新デスティネーション開発・脱定番)、新しい販売手法の確立、集客性、価格の適当性など。なお、「ネーミングセンスの欠如」という意見があり、来年は商品名を表彰する賞を設定する可能性もあるという。受賞商品は下記の通り。
▽受賞商品(賞/社名/企画名)
□海外旅行部門グランプリ
・ グランプリ/西遊旅行/「神秘の王国ブータン」
・ 準グランプリ/阪急交通社九州営業本部/「JALチャーター便で行く 世界遺産エアーズロックと大陸縦断鉄道ザ・ガンの旅6日間」
・ 準グランプリ/アルパインツアーサービス/「『山麓乗り入れ』キリマンジャロゆったり登頂とサファリ11日間」
□海外旅行部門特別賞
・ エコツアー企画特別賞/風の旅行社/「自転車でヒマラヤ縦断」
・ シリーズ企画特別賞/JTBワールドバケーションズ/「地球シンフォニーシリーズ」
・ 新市場開発特別賞/ジャルパック・eビジネス事業部/「スペイン コスタ・デル・ソルの休日とアンダルシア・モロッコを訪ねる10日間」
・ イベント企画特別賞/ANAセールス東京支店/「ANA杭州・西湖ふれあいウォーク」
・ SIT企画特別賞/道祖神/「タンザニア・コースト・キャンプ16日間〜シンドバッドの末裔達とスワヒリの世界を訪ねて〜」
・ 特別協賛AIU賞/阪急交通社九州営業本部/「JALチャーター便で行く 世界遺産エアーズロックと大陸縦断鉄道ザ・ガンの旅6日間」
□ 協賛観光局特別賞
・ タイ国政府観光庁特別賞/エス・ティー・ワールド/「アメージング・タイランド・サンクス・ツアー 6日間」
・ 香港政府観光局特別賞/日本旅行大阪法人営業支店/「シャルレ・フェスタ2007・イン・香港」
□ 受注型旅行部門
・受注型旅行特別賞/日本旅行大阪法人営業支店/「シャルレ・フェスタ2007・イン・香港」
□奨励賞部門
・ 該当なし
□国内旅行部門
・グランプリ/ANAセールス/「ANAスカイホリデー 感動案内人プラン」
・ 準グランプリ/グローバルユースビューロー/「春の京都 雑学(うんちく)観光シリーズ=伊勢、金沢、初夏の能代・白神山地」
・ 準グランプリ/ジェイティービー/「湯とお部屋を楽しむ宿」