7月の日本人出国者数は1.9%増、訪日は4.9%増、イン・アウトとも伸び緩やか

  • 2006年8月29日
 国際観光振興機構(JNTO)によると、7月の日本人出国者数は1.9%増の144万9000人となった。伸び率としては5月、6月に5%増から10%増の推移に対し、7月単月伸びは少ない。前年比で3ヶ月連続の増加を示したが、昨年の反日デモ、竹島領有問題の影響が薄れたことで結果的に増加したが、レバノン侵攻による海外旅行そのものへのマイナス要因もある。また、間際予約の伸びが昨年と比べ、「伸びない」という声も出ており、こうした海外旅行の意欲が高い層に限られた需要が動いているとも想定される。
 ただ、実数では144万9000人となり着実に数値は伸ばしているところ。航空座席の供給数も限りがあるだけに、8月に出国者数の年間のピークを迎えることから、この数値により今年度の動向の大きな流れが見えることとなるだろう。

 また、訪日外客数は4.9%増の70万2100人。訪問者の実数ベースでは韓国が最も多い16.1%増の17万420人、次いで台湾が4.6%減の15万3393人、アメリカが1.9%減の7万8619人、中国が34.1%増の6万844人、香港が10.4%増の3万2608人。全般的には昨年の愛・地球博のようなイベントが開催されていないこと、ドイツワールドカップの開催により、ドイツから旅行が手控えられたことで伸び率が低かったとしている。
 台湾では特に愛・地球博の反動があるほか、タイが台湾で津波後の旅行需要回復を目指したキャンペーンを展開していることが減少の要因。また、韓国については路線の拡充により、日本/韓国間の座席数の増加、チャーター便の展開などにより、特に教育旅行の伸びが見られるという。