NW、9月からコミッションを2%引き下げ5%へ、米系への影響は必至か

  • 2006年6月2日
 ノースウエスト航空(NW)は9月1日から、旅行会社に対するコミッションについて現行の7%を5%に引き下げる。現在、NWは旅行各社に説明を行っており、今回の対応について理解を求めているところ。9%であったコミッションを現在の7%に引き下げた際、旅行会社から大きく反発。今回の措置に対しても旅行会社の不服は聞こえるものの、航空会社側にも燃油費の高騰、GDS/CRSなどシステムの進化による旅行会社の手間が削減されているとの見方などが背景となり、導入に踏み切った。

 ただ、今後の焦点はアメリカなどで先行するように、「0%」がいつ実施されるか、となる。9%から7%への引き下げ時には米系航空会社が一斉にコミッションカットの方向に動いた経緯もあり、日本での影響力が大きい日系各社の動向とともにいつ追随の決定がされるかに焦点が集まる。
 米系航空会社については、コミッションの上限を券面に関らず設定する「キャップ制」を導入後に「0%」としたが、今回もキャップ制を導入し、旅行会社との関係を維持するという可能性を示唆する向きもある。ただ、いずれにせよ、今回のコミッションカットを機に「0%」が具体的な検討課題として各航空会社のトップで検討されることは必死だ。

 来日中のユナイテッド航空(UA)会長・社長兼CEOのグレン・F・ティルトン氏は「コミッションについてはノーコメント」とし、言及は避けたが、確実にこうした問題は視野に入れているものと想定される。航空会社は旅行会社に対するコミッションのほか、GDS/CRS各社に対してもブッキングフィーを支払っており、運航コストが増大する環境下で削減可能な費用を「可能な限りそぎ落とす」という方向性にある。こうした中で、旅行会社へのコミッションを減らし、 GDS等に頼らずに旅行会社の販売前線と航空会社のホストシステムを直接つなぐ流通の仕組みが考えられており、「可能な限りの費用削減」を至上命題とする余波は日本の旅行会社にも確実、かつ着々と押し寄せてきている。