NH山元氏、NZ・TGのJLとの提携について「けじめ」を求める

  • 2005年11月14日
 スターアライアンスの南ターミナル移転の会見ではNHの山元社長、スターアライアンスのアルブレヒトCEOの両氏が揃って日本航空(JL)のワンワールド加盟について言及。山本氏は、今後は「日本でもアライアンスが選択の基準として重要となる。日本の航空業界に特筆すべきこと」と語り、アライアンスのサービスが旅客動向にも影響を与えると示唆。また、アルブレヒト氏は「(JLが)アライアンスの重要性を認識したのだろう」と決断を評価した一方で、「7年前に加盟した全日空の決断を評価したい」と持ち上げた。
 さらに旅客のメリットとなるFFP、ラウンジ、スルーチェックインなどの効果が大きく、先ごろの全日空の決算でも国内線、国際線ともに黒字となったことを示唆し、「財務面でも大きなメリットがあり、2004年度で約150億円の増収効果」(山元氏)と言及。ただし、「加入後にしばらく時間がかかる」と、国際線の黒字化が6年間の無配の時期を経た上であることを踏まえ、「容易でない」とコメントした。


 なお、先ごろJLがワンワールドの加盟を表明した際、JLが2社間で提携を結び、今後も提携の継続の意欲を示していたニュージーランド航空(NZ)、タイ国際航空(TG)についても山元氏は言及。これまでは「JLは個別に提携を結んでいた訳で、ある意味仕方が無いこと。しかし、(JLのワンワールド)加盟でスターアライアンス全体としてけじめを求めることも必要」として、社長会の場を利用して提携関係についても言及していく考えを示した。


 また、NHは今後の路線展開として、国際線の路線拡張についても言及。「ルフトハンザドイツ航空がヨーロッパで路線を厚くしているように、全日空はアジアでの路線拡充をはかる必要がある」との考え。ただし、現在の原油高騰などの環境から、すぐに路線拡充へ転じるわけではないことも明言。時期的には、NHが導入を決定している新型機材のボーイング787型機の就航に合わせることが濃厚。この機材は現在のB767型機と比較して燃費効率が15%ほど良く、中型の機材で効率的な就航が可能となる。ただし、路線としてはレジャー需要だけでは就航は考えておらず、ビジネスとレジャーの需要を踏まえ、さらに燃費効率を踏まえた上での展開となる。