JALグ、安全運航を柱に企業改革の方針を打ち出す、09年から路線拡大

  • 2005年11月7日
 JALグループは2006年度から10年度にかけ、約600億円に及ぶ安全への投資を柱とした「JALグループ企業改革方針」を取りまとめた。現在、企業業績にも影響を与えている安全面への不安による需要低迷の解決に向けた継続的な取組みを行い、国際線旅客事業の構造改革や費用改革を進め、2009年の控える羽田空港の国際化などを睨んだビジネスチャンスの活用を目指す。

 具体的には安全運航を支援するIT強化、施設整備に600億円を投資する。特に技術系の総合職の採用やグループでの整備関連の人員について拡大し、この整備士の育成プランを見直す。さらに、機材ではボーイングB787型機4機、B737-800型機19機を新たに導入するほか、サービスの品質に関連する分野で約650億円を投資する。また、ワンワールド加盟を表明しているが、これに関るeチケット提携やラウンジ相互利用、マイレージプログラム提携などを進める。

 また、路線展開では2006年度は路線の見直し、機材の適正化を一段と推し進め、2007年度から2008年度に中国線を中心とした路線拡大を機材のダウンサイジングを進める。これにより、国際線の自社運航機における中型・小型機材を現在の40%から2008年度末には60%へと割合を高める。これを踏まえ、2009年度の羽田空港の国際化、成田空港の滑走路延伸に伴う発着枠の増加を睨み、積極的な路線展開に踏み切っていく。