JTB、健康と旅行関連事業を専門に研究するヘルスツーリズム研究所開設

  • 2005年11月7日
 ジェイティービーはこのほど、グループ内に健康観光・旅行関連事業を専門的に推進する「ヘルスツーリズム推進プロジェクト」を発足、この領域の研究・事業開発を担う専門研究機関として「ヘルスツーリズム研究所」を11月9日に開設する。JTBは健康観光・旅行に関る調査や研究事業をベースに、科学的実証に基づく健康旅行商品、旅行医学を活用した危機管理事業などの開発を進める。例えば、旅行先で体に良い食事を提供する医食同源ツアーをはじめ、温泉浴や森林浴、地域固有の健康素材を保養プログラムとして活用するツアーなど、科学的実証を踏まえて商品造成する。また、旅行用英文診断書などの仲介や作成事業などにも着手し、シニア世代の旅行増加に対応したビジネス展開を図る予定だ。特に、旅行医学については、日本渡航医学会の教育普及医院会との連携で添乗員教育プログラムを開発。社内教育の徹底を図ると共に、業界内の教育事業の展開も視野に入れ業務展開を図る。

 経済産業省の健康サービス研究会では、高齢化の進展や健康志向の高まりを背景に2001年に12兆円であった健康関連市場が2010年には20兆円に達すると試算。今後は健康需要の高まりが予測されている。さらに近年、旅行の健康の癒し効果についての研究、旅行と健康の関連性、その効果に注目が集まり、健康旅行商品の数が着々と増加している。一方で、シニア世代の旅行が増加しており、旅行者が旅先で病気や怪我をするケースも増加する傾向だ。このことからJTBは、旅行産業としてのリスク管理上、旅行者の安全確保やリスク軽減、SARSや鳥インフルエンザなどの新感染症による風評被害を防ぐため、旅行医学の新情報や正しい知識が必要との需要と社会的要請に鑑み、研究所を設置した。