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ANAグ、全セグメントで経常黒字、航空旅客は内際ともに旅客単価が上昇

  • 2005年11月1日
 ANAグループの平成18年3月期中間連結決算は、売上高が前年比4.8%増の6909億2200万円、営業利益は16.4%増の695億8700万円、経常利益は11.9%増の594億2200万円、中間純利益は34.0%減の197億2300万円となった。国際線、国内線とも黒字となったほか、旅行事業などを含む全セグメントで経常黒字を計上する好決算。純利益については特別損失219億2800万円を計上。子会社の減損会計分による176億円、福利厚生施設の売却などだ。全日空取締役執行役員・財務担当の日出間公敬氏は航空旅客の集客が上々であったとし、具体的には「国内線はスーパーシートプレミアムの導入や地上交通との連携で個人旅客に伸びがあったほか、沖縄、中部の利用増で全体客を押し上げ」、「国際線は反日デモの影響やロンドンのテロなどでやや影響があったものの、ビジネス中心の需要に支えられた」と増収の要因を指摘した。

 このうち、国内線航空旅客は前年比3.2%増の2327万2256人。需要にあわせた弾力的な機材の利用で運航頻度は5%増だが提供座席数は0.1%減の309億1970万9000席キロとほぼ前年と同じ水準となったため、利用率は2.5%ポイント上昇し、65.7%である。これにより、旅客収入は4.9%増の3543億3900万円と168億円の増収。国内線旅客は4月が2%増、5月1%増、6月5%増、7月4%増、8月5%増、9月3%増と6月以降に増加が顕著で、「上半期では個人旅客が4%増、観光が2%増」(日出間氏)とビジネス面での需要が好調を支えたという見方を示した。2月に開港した中部空港の利用客は約20%の増加を記録。さらに、連結子会社となったエアセントラルの旅客が予想以上の集客も旅客数の増加に寄与したという。
 国際線はロンドン線、パリ線などでビジネスクラスを増席し、集客も比較的堅調に推移。旅客数は1.2%減の199万8660人、座席キロは0.1%減の125億9827万1000席キロ、利用率は3.1%減の73.5%。旅客収入は4.3%増の1152億2200万円、と47億6300万円の増収となり、旅客単価は5.6%増となった。特に懸念される中国については、「ビジネス需要は良いものの、観光が弱含み」と言うものの、ビジネス需要を着実に獲得している模様だ。
 また、航空業界で課題となる燃油費については、旅客に1000円分を負担し、総額で300億円を想定、残り100億円についてはコスト削減で乗り切る。特に、コスト削減では販売費や外注費の見直し、子会社の経費節減でも不足分を補う方向だ。

 なお、航空運送事業以外のセグメントでは旅行事業の売上高4.9%増の1041億7700万円、営業利益4.4%増の26億8800万円、ホテル事業の売上高6.2%減の323億3400万円、営業利益9億8000万円(前期から16億6300万円増)、インフィニを含むその他事業は2.5%増の928億9000万円、営業利益4.3%減の29億9100万円となった。
 旅行事業は中部空港を利用した愛・地球博の関連商品を設定したほか、中国、四国、九州、沖縄方面を中心に好調な集客。海外は反日デモやテロなどの影響があるものの、北米、ハワイ、グアムが好調に推移した。