JL中期計画、国際線でJO拡大、07年国際旅客売上は04年比12%増
日本航空グループはこのほど、2005年度から2007年度の中期経営計画を策定した。日本航空代表取締役会長兼CEOの兼子勲氏は「(厳しい状況も)悲観するのではなく、プラスの材料もある。空港インフラは羽田などで向上し、需要は落ちるわけでない。これをビジネスチャンスと捉える」と語り、成長するマーケットを獲得していくことは不可欠との考えを示す。特に、地域的には中国や東南アジアへの展開を強く意識しており、国際線の赤字傾向からの脱却、費用の構造改革で黒字化を図る方向性を示す。
この中期経営計画によると、安全、企業の社会的責任(CSR)を企業存立の基盤とし、国際線旅客事業、費用、成長マーケットの3つを柱とする構造改革を進める。燃油高騰する等の外的要因に耐え、利益を生む環境が求められており、特に国際線については高収益路線へ資源を集中する。日本航空(JL)と比べて1割ほど運航コストの良いグループのジャルウェイズ(JO)の事業規模を拡大する。2004年度ベースでは週120便から2007年度に週180便、JALグループ内でのJOの運航規模は04年度20%から07年度27%へ規模を拡大するほか、アジアを中心とした路線にJOモデルを投入する。国内線も低コストで運航するJALエキスプレスの機材数を04年度8機から、07年度19機体制とする。
費用については09年度の羽田再拡張までに収益性の向上を図る考えから、この3年を基盤強化の基礎を築く3年間と位置づけ。人件費、低収益路線の改廃、契約・業務プロセスの見直しなどを積み重ね、04年-06年度中期経営計画比で07年度に750億円、その後の年度に1000億円以上の削減効果を算定する。このうち、人員についてはこれまで計画した02年度から4500人の削減から今回新たに1400人増となる5900人の削減を図る。これまで、自然減少を基本としていたが、今回は組織の簡素化で兼務体制を採ることで余剰人員を関連会社含めて吸収などする。
なお、業績目標は07年度に国際旅客の売上高04年比で12.1%増の7500億円、全体では2兆2830億円、営業利益1000億円、経常利益740億円を目標とする。詳細は下記の通り。
▽一社化への方向性
こうした計画のキーワードは「シンプリフィケーション」。既に中期計画の骨子で一社化を明言し、05年度から実質的な一社化体制とする。今回の計画で特に明確にこの方向が位置づけられたのが、中核4社の役員人事において、骨子で示した30%減どおり、21名減の34%減とした。こうした流れから、日本航空社長を本部長とする統合推進本部を設置し、一社化に向けた具体的な範囲とスケジュールを決定する。この統合推進本部では企業として保有する航空権益に関しての所在、外国における権益の維持などから、社員の福利厚生等にいたる全ての側面を勘案し、06年度に一社化を目指す。こうしたグループ会社のスリム化に加え、機種や機材の集約、ITを活用した簡素化や利便性向上を図る。特にICを使うチェックインの推進や、4月1日にホームページをリニューアルして、予約利便性の向上を図る。
ただし、JALセールスについては一社化へ向けて検討しているものの、「位置づけがはっきりしていない」(兼子氏)段階。特に、航空座席と旅行商品、地域などが検討課題となっている模様で、上期中には結論をえる考え。
▽JLグループの中期経営計画・連結業績目標
<年度/売上高/国際旅客/国内旅客/営業利益/経常利益/当期利益/有利子負債>
05年度/2兆2090億円/7200億円/6850億円/600億円/290億円/170億円/1兆9250億円
06年度/2兆2660億円/7490億円/6890億円/920億円/630億円/340億円/1兆6390億円
07年度/2兆2830億円/7500億円/6890億円/1兆円/740億円/290億円/1兆4650億円
この中期経営計画によると、安全、企業の社会的責任(CSR)を企業存立の基盤とし、国際線旅客事業、費用、成長マーケットの3つを柱とする構造改革を進める。燃油高騰する等の外的要因に耐え、利益を生む環境が求められており、特に国際線については高収益路線へ資源を集中する。日本航空(JL)と比べて1割ほど運航コストの良いグループのジャルウェイズ(JO)の事業規模を拡大する。2004年度ベースでは週120便から2007年度に週180便、JALグループ内でのJOの運航規模は04年度20%から07年度27%へ規模を拡大するほか、アジアを中心とした路線にJOモデルを投入する。国内線も低コストで運航するJALエキスプレスの機材数を04年度8機から、07年度19機体制とする。
費用については09年度の羽田再拡張までに収益性の向上を図る考えから、この3年を基盤強化の基礎を築く3年間と位置づけ。人件費、低収益路線の改廃、契約・業務プロセスの見直しなどを積み重ね、04年-06年度中期経営計画比で07年度に750億円、その後の年度に1000億円以上の削減効果を算定する。このうち、人員についてはこれまで計画した02年度から4500人の削減から今回新たに1400人増となる5900人の削減を図る。これまで、自然減少を基本としていたが、今回は組織の簡素化で兼務体制を採ることで余剰人員を関連会社含めて吸収などする。
なお、業績目標は07年度に国際旅客の売上高04年比で12.1%増の7500億円、全体では2兆2830億円、営業利益1000億円、経常利益740億円を目標とする。詳細は下記の通り。
▽一社化への方向性
こうした計画のキーワードは「シンプリフィケーション」。既に中期計画の骨子で一社化を明言し、05年度から実質的な一社化体制とする。今回の計画で特に明確にこの方向が位置づけられたのが、中核4社の役員人事において、骨子で示した30%減どおり、21名減の34%減とした。こうした流れから、日本航空社長を本部長とする統合推進本部を設置し、一社化に向けた具体的な範囲とスケジュールを決定する。この統合推進本部では企業として保有する航空権益に関しての所在、外国における権益の維持などから、社員の福利厚生等にいたる全ての側面を勘案し、06年度に一社化を目指す。こうしたグループ会社のスリム化に加え、機種や機材の集約、ITを活用した簡素化や利便性向上を図る。特にICを使うチェックインの推進や、4月1日にホームページをリニューアルして、予約利便性の向上を図る。
ただし、JALセールスについては一社化へ向けて検討しているものの、「位置づけがはっきりしていない」(兼子氏)段階。特に、航空座席と旅行商品、地域などが検討課題となっている模様で、上期中には結論をえる考え。
▽JLグループの中期経営計画・連結業績目標
<年度/売上高/国際旅客/国内旅客/営業利益/経常利益/当期利益/有利子負債>
05年度/2兆2090億円/7200億円/6850億円/600億円/290億円/170億円/1兆9250億円
06年度/2兆2660億円/7490億円/6890億円/920億円/630億円/340億円/1兆6390億円
07年度/2兆2830億円/7500億円/6890億円/1兆円/740億円/290億円/1兆4650億円