派遣添乗員労働実態、不安・不満の上位は変わらず、TCSA調査

  • 2004年7月1日
 日本添乗サービス協会(TCSA)は2003年10月、TCSA加盟各社の添乗員に対し労働条件の実態を調査、このほど「派遣添乗員の労働実態と職業意識」として取りまとめた。今回から、札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の5地区での従来調査に加え、加盟各社の添乗員を対象としたことで、回答者数は1327名と前回調査から200名ほどの回答増となった。
 これによると添乗員が労働実態や労働条件に対して抱く不安・不満は「日当が低い」が63.6%(前回:64.0%)、「収入が不安定」が59.5%(同:50.3%)、「福利厚生制度が不十分」が51.0%(同:51.1%)、「一日の労働時間が長すぎる」が33.8%(同:45.4%)など上位の項目は変わらない。また、今回から新設した「付加業務を取扱った場合の付加手当が支給されない」という項目には23.4%と第5位となった。
 労働時間については33.8%と前回調査から大きくポイントとしては減少しているが、実態の時間として減少しているわけではない。12時間以上の労働は全ての団体添乗において85%以上、16時間以上は修学旅行について81.8%、海外手配団体で43.5%と相変わらず長時間労働の傾向にある。また、実際の収入が伴わず、希望と実際の差額は国内では83万円超、海外では112万円超の開きがある。
 添乗員からの生の声としては「仕事が好きだが、年収が低いために辞めなければならない現実がこの業界にはある」、「一人で生きていけるだけの収入が確保できない」などがあり、TCSAでは優秀な人材の確保のためにも改善が必要であることを訴えている。