石原大臣、「中国・欧州にセールス」、第2回VJC実施本部会合で

  • 2004年4月20日
 ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)実施本部は22日、第2回実施本部会合を開催した。冒頭、国土交通大臣でVJC実施本部長の石原伸晃氏は今後の活動について、「中国やヨーロッパに日本誘致のセールスを行いたい」と語り、団体観光ビザ発給で交渉する中国、新たにVJC重点市場に加わる欧州市場に対する意欲を示した。また、全国旅行業協会(ANTA)会長で自民党観光特別委員会委員長の二階俊博氏は4省1市への拡大について「夏ごろには対象となる地域の方々を日本にお迎えしたい」と語り、ゴールデンウィーク明けにも再開される日中間の交渉で早期のビザ拡大に期待感を表明。
 また、外務省外務報道官の高島肇久氏は、「世界各地に点在する在外公館をVJCに積極的に利用してほしい」と述べ、在外公館がVJCに大きな関心を示すことを報告。その一例としてホノルルの総領事館では「多目的ホールを活用して、日本をセールスするパーティーを開催したい」意向があることを紹介。国交省、JNTO、観光関連の団体、地方公共団体だけでなく、民間企業でも在外公館を利用したパーティーの開催を行うことが可能だ。外務省もVJCのプロモーション活動に積極的に関与する方針のようだ。

 昨年は政府でも観光立国に向けた取り組みが本格的に行われた年。2003年1月の小泉首相の施政方針演説で訪日外国人旅行者の目標「2010年1000万人」が示され、観光立国懇談会で「住んでよし、訪れてよし」の提言を受け、7月末には全閣僚が参加する会議で観光立国行動計画を決定。また、9月には観光立国担当大臣に現国土交通大臣の石原伸晃氏を初めて指名。これの具体的な事業として、観光カリスマの選定、首相や国土交通大臣が出演する訪日促進ビデオ、案内表示などで外国人が一人歩きできる環境の整備などを行った。16年度は、VJC関係の予算で前年比60%増の32億円を確保。局長級のポストとなる総合観光政策審議官の新設を予定しており、体制の強化を進める。
 また、VJC事業としても重点となる5大市場別に施策を展開したほか、SARSの影響も最小限に留め、2003年度の訪日外客数は前年度比0.5%増の534万人を記録。特に訪日外客の最大マーケットである韓国の動きはよく、東北地方のスキーや温泉が浸透しつつあるという。16年度事業はこれまで展開する重点市場に加え、欧州を加えるものの、集中的なプロモーションを展開することで、効率を高める。また官民一体を改めて強調、特に今年は愛知万博、外務省との連携がポイントとなるようだ。
 これらの施策を受け、日本観光協会会長でVJC実施副本部長の中村徹氏は、「VJCは2年目。今年度はVJCでの事業展開を『商品化』し、具体的なキャンペーンと成果の連動を示し、経済効果を日本、諸外国に明示する取り組みに踏み込みたい」と協力を要請。具体的な商品や成果が、国民全体にわかりやすい形で認識、実感できることが今年の課題となるようだ。