JTB、04年度のルックは全面見直し、販売目標は30%増の130万人

  • 2004年1月21日
 ジェイティービー(JTB)は「ルックJTB」の2004年度上期商品を1月23日から、発売を開始する。今回はルックJTBの企画、および主催するグループ会社9社を統合するJTBワールドバケーションズ(一部、2005年度から)として初めての商品発表。JTBワールドバケーションズ代表取締役社長の伊藤正人氏は今年度の商品に関して「急激に変化する海外旅行市場のニーズを汲み取る商品作りを進めた」と強調する。これは価格別の3カテゴリーから旅行形態、目的、顧客層別で17シリーズへ再構成したことを受けたもの。JTBでは約1年にわたるパッケージ商品の見直しを進める中、新たな商品作りのポイントを見出し、今回の商品企画に生かしたという。具体的には、「消費者の価格と価値の相互関係における購入の判断基準、旅行の原点にかえる為に素材の見直し、消費者の選びたい商品を造成すること」だ。これを踏まえ、伊藤氏は「大量生産から、個々のニーズに合わせた商品展開が重要」とし、2004年度は03年度30%増となる130万人の販売目標人員を掲げた。

 今回の主な変更は、ショッピングは韓国で廃止、中国では店名を表示し事前に消費者に行き先を明示する。ホテルではグレードの見直し、航空機の座席の仕入では成田と関空に集中し、催行保証を高めたほか、現地ではサポートデスクの充実を図る、などだ。
 17シリーズは大きく分類すると添乗員なしの個人旅行型商品、添乗員つきの周遊型商品、FIT対応型商品、特定の層に訴求する商品の4つ。販売目標の130万人で種類別に取扱う人数の概要は、個人旅行型でフリータイム型商品「マイセレクト」は85万人、目的やテーマを絞るマーケット訴求型の7シリーズは22万人、周遊型商品は20万人、FIT対応型商品は1万5000人、特定に訴求する商品は1万5000人とする。このうち、「マイセレクト」の85万人は現在のルックJTBに占めるスリムの構成比とほぼ同じという。

 設定商品の中、特に重点を置くのはヨーロッパ、ハワイ、中国だ。ヨーロッパは観光素材が豊富であること、ハワイは高級素材をパッケージに組み込みFIT層の取り込みが可能であること、中国は催行保証を高めることから。
 このうち、ヨーロッパでは1冊のパンフレットで全国で販売し、出発を成田と関西に集中する。また、ホテルは「豪華」「機能性」「旧市街」「景観」「大自然」「個性派」「立地」などと分類し、価格に直接反映する部分を説明する理由付けを加えた。また、地上費を抑えることを念頭に、これまでは訪問することのなかった場所も、組み込んでいるなど、こだわりを出している。
 さらに、今回から特定の層を対象とする体験型の旅行で「地球交響曲(シンフォニー)」を新設。このテーマは個人では行けない場所、これまでルックで取扱わなかったデスティネーション、お客にも旅の苦労を楽しんでもらうことをコンセプトに設定した。この中で8つの旅行を設定、ロシアのカムチャツカ、アマゾンのギアナ高原など自然の体験を全面に打ち出している。


▽2004年度方面別の販売目標人員および2003年度販売見込み(全国)
[方面/販売目標(人)<前年比>/03年度見込み<前年比>]
ハワイ/26万4000人<7.8%増>/24万5000人<7.8%減>
ミクロネシア/23万4000人<12.0%増>/20万9000人<%>
北米/9万3000人<50.0%増>/6万2000人<%>
ヨーロッパ/15万9000人<30.6%増>/12万2000人<%>
アジア/34万7000人<69.1%増>/20万5000人<%>
中国/8万人<176.5%増>/2万9000人<%>
オセアニア/12万3000人<6.3%増>/11万6000人<%>