スターアライアンス、各社間で利用可能なeチケット開発、連携も強化へ

  • 2003年12月7日
 スターアライアンスは加盟各社の連携の強化を推進する。これは2004年中を目途に加盟各社が導入する予約システムなどを含むITシステム「スターネット(Starnet)」を利用し、各社間で利用可能となるようeチケットの開発計画を進めるもの。また、各社で共通の自動チェックイン機も導入する。スターネットはフライト・インフォメーション、飛行便のデータなどスターアライアンス加盟航空会社間の情報システム。この他、調達の分野でも共同購入を進める。すでにエア・カナダ(AC)、スカンジナビア航空(SK)、オーストリア航空(OS)、ルフトハンザドイツ航空(LH)ではERJ170型機、CRJ700型機など70席から100席程度の機材を共同で購入を進めている。各社の機材を共同で購入するメリットはスターアライアンス内の共通化と共に製造コストの低減化、製造会社も製造に掛かる時間短縮を図ることが可能だ。今後はより大きな機材、また燃料での共同購入が焦点となる。具体的な手法としては、加盟各社の中で最も効率的に運用する会社、加盟各社以外の企業に委託、アライアンス内で出資する別企業の設立の優先順位で検討し、各社独自のコスト削減効果を一層高める。
 スターアライアンスは、コードシェアやFFP、アライアンスのブランド向上などの第1段階、各社のラウンジ利用、セールス分野での共同作業、地上でのサービスなど各社の単価削減を進める第2段階も終了しつつある。スターアライアンスCEOのヤーン・アルブレヒト氏は「今後は、機材の共有化による資産共有、バックオフィス部分での統合、アライアンス内での共同出資会社の設立など新たなモデルの構築を目指す」という。

▽アライアンス加盟会社に関して
 現在、ワンワールドにはスイス航空(LX)の加盟が決定しているほか、スカイチームはエール・フランス航空(AF)とKLMオランダ航空(KL)の統合により、ノースウエスト航空(NW)、コンチネンタル航空(CO)の加盟が有力視、スターアライアンスには来春を目途にUSエアウエイズが加盟する予定だ。全日空(NH)は5日、USエアウエイズ(US)と包括提携を締結し、コードシェアやFFPなどを進める。今後のアライアンスの動向では、特にアフリカ、インド、ロシア、そして中国の航空会社の動きが注目される。アルブレヒト氏は「ロシア、インドで具体的な話を進めている。中国の航空会社とも話を進めているが、最終的には中国政府の決定で決まると思うが、時期は未定」とした。