【Tabinaka Summit 2026】OTA3社、売れるタビナカ体験の最新動向を共有 付加価値創出やレビュー活用を提言
GetYourGuide、ベルトラ、Klookの各社は6月12日に開催された「Tabinaka Summit 2026」のセッション「OTAデータから見る 儲かるタビナカ体験の設計」に登壇した。各OTAが保有する販売データや利用者動向をもとに、伸長する訪日市場の変化や売れる体験商品の特徴、レビュー活用、AI活用の可能性について議論した。
セッションではまず、この1年間の市場変化について各社が見解を示した。GetYourGuide Japan日本オフィス代表の仁科貴生氏は、欧米市場を中心にゴールデンルート以外への需要拡大が進んでいると説明。広島や沖縄などの予約が大きく伸びているとし、その背景としてリピーター増加だけでなく、地方で販売される体験商品の充実を挙げた。
Klook Travel TechnologyのDMOパートナーシップマネージャー田中美晴氏も、名古屋をはじめとした地方都市への関心が高まっていると指摘。加えて、訪日市場ではインド市場が急速に成長しているとし、インド人旅行者向けの商品需要が高まっていることを紹介した。
収益向上策については、単純な値上げではなく付加価値の創出が重要との見方で一致した。田中氏は、予約困難な施設を組み込んだウォーキングツアーなど、人気スポットへの需要を活用した高付加価値商品の事例を紹介。ベルトラ代表取締役兼CEOの二木渉氏は、単一の商品ではなくターゲットごとに異なる商品ラインアップを用意し、付加価値を組み合わせることが重要と語った。仁科氏も、顧客ニーズに応じたハーフデーツアーやプライベートツアーなど、多様な選択肢を用意することが売上拡大につながるとの考えを示した。
昨年の同セッションではレビューの重要性が共有されたが、今年はその収集方法や活用方法に議論が発展した。二木氏は、顧客向けのモニターツアーを実施し、レビュー収集を広告宣伝費と捉える考え方を提案。「レビューは商品改善の源泉」と語った。田中氏は、レビュー投稿を積極的に依頼することの重要性を指摘し、「お願いすることは無料」と述べた。仁科氏は、レビューを十分に活用していない事業者も少なくないとし、分析結果を商品改善につなげる必要性を訴えた。
AI活用も大きなテーマとなった。田中氏は、今後は商品ページの編集や在庫管理などをチャット形式で操作できるようになるとの見通しを示した。仁科氏は、ホームページ作成やデータ分析など幅広い活用が進んでいると説明し、分析スピード向上が事業展開の迅速化につながっていると述べた。二木氏は、AIによって業務の属人性が低下し、多言語対応などインバウンド対応コストも大幅に削減されるとの見方を示した。
直近の売れ筋商品についても各社が紹介した。仁科氏は、箸づくり体験が想定以上の人気を集めているとし、ワークショップ型商品の販売が前年から大きく伸びていると説明。持ち帰り可能な土産要素が支持されているという。また、モデレーターを務めたJTB BÓKUNの青柳淳氏も、古銭を活用したアクセサリー制作体験の人気を紹介した。
田中氏は、寿司づくりに加え、ラーメンや親子丼などの料理教室が増加していると報告。帰国後も再現できる体験への需要が高まっているとした。また、日本の美容技術への関心から、ヘアサロンやスパ関連商品の掲載も増えているという。二木氏は、花火大会など地域イベントへの送客に注力していると語り、イベント型コンテンツへの期待を示した。
加えて各社は自社の強みについても言及した。Klookはインフルエンサーとの連携による集客支援、ベルトラはガイドなど人とのつながりや事業者の参入しやすさ、GetYourGuideは顧客満足度向上を軸とした継続的な商品改善を挙げた。
最後に、事業者が今から取り組める施策として、仁科氏はテーマ性の明確化と商品バリエーションの拡充を提案。二木氏はAIを活用したコミュニケーション改革を挙げた。田中氏は「旅行者の意見なしにコンテンツを作ることは避けるべき」と述べ、旅行者視点に立った商品造成の重要性を強調した。