JTBが2026年旅行・訪日動向を予測、国内横ばい・海外微増、訪日は地方分散が進展

  • 2026年1月12日

 JTBは2026年の旅行動向見通しと訪日旅行市場トレンド予測を公表した。日本人の総旅行人数は前年を下回る一方、旅行単価の上昇により市場規模は底堅く推移する見通しだ。訪日外国人旅行は人数ベースでは調整局面に入るものの、消費額は過去最高水準を更新し、地方分散や高付加価値化が一段と進むと分析している。

 2026年の日本人の総旅行人数は3億2250万人と前年比98.0%と予測されている。国内旅行は3億700万人(前年比97.8%)とほぼ横ばいで推移する見込みだが、物価や宿泊費の上昇を背景に一人当たり旅行費用は5万2900円(同102.9%)まで上昇し、国内旅行消費額は16兆2300億円(同100.6%)と前年並みを維持する見通しだ。人数の伸び悩みを単価上昇が補う構図が2026年も続くとみられる。

 海外旅行は、旅行人数が1550万人と前年比102.6%となり、回復基調は維持されるものの増加ペースは緩やかになる見込みだ。円ドル相場が150円前後で推移する中、旅行者は円安を受け入れつつあり、アジアなど近距離方面への需要が引き続き中心となる。一方で、欧米など中長距離方面でも一部回復の兆しが見られ、平均旅行費用は31万7200円(同104.5%)に上昇、海外旅行消費額は4兆9200億円と同107.4%の増加が見込まれている。

 訪日外国人旅行については、2026年の旅行者数が4140万人と前年比97.2%となり、2025年まで続いた急回復局面から一服する見通しだ。中国・香港からの需要減少が全体の人数を押し下げる一方、他の国・地域では経済成長を背景に訪日需要が堅調に推移するとみられている。旅行者一人当たりの消費単価は23.3万円に上昇し、滞在期間の長い欧米豪市場の存在感拡大もあり、訪日消費額は9.64兆円と前年比100.6%で過去最高水準を更新する見通し。

 訪日市場の構造面では、リピーター比率の上昇を背景に訪問地の地方分散が進む点が特徴だ。欧米豪からの旅行者は滞在期間が長く、宿泊や飲食など旅ナカ消費への支出が大きいことから、消費額ベースでの存在感が高まっている。加えて、訪日回数が増えるほど訪問エリアを絞り込む傾向が見られ、今後は大都市周遊型から地方滞在型へのシフトが進むと予測している。

 JTBは総じて、2026年は旅行市場全体が数量面では踊り場を迎える一方、単価上昇と高付加価値化によって市場規模が支えられる年になると位置付けている。