日本なぜ重要視?スペイン政観ルイス新支局長が語る日本市場での戦略
ルイス はい。「本当にスペインを知り尽くした?もう一度よく考えてみて」というメッセージを込めたものです。ビーチや人気観光地をあえて取り上げず、地方や内陸部、自然や食文化、スロートラベルをテーマにしています。アラゴン、アストゥリアス、ガリシア、カンタブリア、ナバーラ、リオハ、エクストレマドゥーラといった州の魅力を発信し、観光の地域分散を促す初の試みです。
ルイス その通りです。これらの地域は外国人観光客が少なく、自然が豊かでグルメも充実しています。小規模なホテルや本物のスペインらしさを体験できる土地が多く、特に文化や食に関心の高い日本人には魅力的な目的地になると思います。
ルイス はい。現在4つの主要ターゲットを設定しています。第一に時間と資金に余裕のあるシニア層、第二に休暇を自ら調整できる経営者層、第三に30歳以下の女性グループなど若年層、第四にハネムーン層です。加えて「フーディー(食にこだわる層)」も重要なターゲットとしています。スペインは世界的に美食の国として知られ、2024年の「世界のベストレストラン50」では上位5位のうち3店がスペインでした。
ルイス BtoCではメディアやSNSを通じた発信を強化します。特にインスタグラムとXを活用し、旅行・食・ライフスタイルを軸に展開します。また、トークショーや体験型イベントにも注力します。BtoBでは旅行会社や航空会社、OTAと連携し、販売促進キャンペーンやオンラインセミナーを行います。スペインの新しいデスティネーション情報を現場の担当者にしっかり届けることが目的です。
ルイス 日本の旅行会社の皆様は我々にとって非常に重要なパートナーです。未知の地域を紹介し、ピークシーズンを避けた送客を促していただくことで、サステナブルな観光の実現につながります。私が着任して以降、多くの旅行会社の方々とお会いしましたが、その専門性とプロ意識の高さに深く感銘を受けました。今後5年間、皆様とともにスペイン観光をさらに盛り上げていきたいと思います。


