INFINIセミナー2025、創立35周年の節目にAI×GDSの構想明かす "NDC"に関するディスカッションも

  • 2025年10月5日
高橋誠一代表取締役社長

 インフィニトラベルインフォメーションはこのほど、都内で「2025年度INFINIセミナー/創立35周年 感謝の集い」を開催した。セミナーでは代表取締役社長の高橋誠一氏による挨拶と事業方針の共有、営業部長の井上浩二氏によるプロダクト展開の紹介が行われ、後半には「NDCの将来〜次世代流通規格〜」をテーマとしたパネルディスカッションも実施されるなど、旅行会社や航空会社らが一堂に会した。

 冒頭に登壇した高橋氏は、同社が今年6月に創立35周年を迎えたことに触れ、支えてきたパートナー各社への謝意を述べた。そのうえで、日本の海外旅行需要の現状にも言及し、アウトバウンド需要は依然としてコロナ前の水準には届いていないものの、52か月連続で前年実績を上回っており、市場は確実に回復傾向にあると強調。「コロナ前と比較して行かない理由を探すことも大切だが、行く理由を探す・作ることも大事ではないか」と前向きな姿勢を示した。

 続いて井上氏は、今後の事業方針として「35周年」という節目にちなみ、航空会社・旅行会社・GDSの三者による連携強化を軸に、5つのキーワードを展開していくと発表した。それが「Global Reach」「Grow with you」「Gain Efficiency」「Gen Next」「Gain New Ground」。

 「Global Reach」ではグローバルな視点による最新テクノロジーを日本市場に即した形で提供していくことを意味する。「Grow with you」は顧客価値を創造し、ともに成長する姿勢を表す。「Gain Efficiency」は独自のコンサルティングやシステム改善を通じて業務効率化を実現すること。「Gen Next」は次世代型のソリューション導入・提案を推進することを意図する。最後の「Gain New Ground」は新たな挑戦を続け、未知の領域を開拓していく決意を込めたキーワードとなっている。

 「Gain Efficiency」や「Gen Next」に関して井上氏は、2026年までの具体的な目標として既存システムおよび新システムへAIを導入し、旅行手配業務へ活用する方針を示した。手配現場に潜む"ムリ(無理)、ムダ(無駄)、ムラ(ばらつき)"を排除し、限られたリソースで最大の成果を生み出していくという。井上氏はAI導入の実現例として、チャットやメールのやり取りをAIが解析し内容に応じて自動的に見積書を作成する仕組みや、運賃の多様化による発券依頼時のミスに対応するAIを活用した自動処理などを挙げた。

 また、井上氏は相当額の開発費用を投入したシステムの提供を今後予定していると明かしたものの、現時点でプロジェクトの詳細について言及はなく「次回のセミナー等で正確なご案内ができるのでは」と話した。

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