8月の宿泊者数が増加に転じる、外国人需要回復も寄与

 観光庁が公表した宿泊旅行統計調査(2025年7月第2次速報、8月第1次速報)によると、2025年8月の延べ宿泊者数は前年同月比0.8%増の6682万人泊となり、わずかではあるが増加に転じた。訪日外国人旅行者の宿泊も前年を上回り、回復傾向がうかがえる。

 2025年7月の全国延べ宿泊者数は5575万人泊で、前年同月比2.6%減となった。特に外国人宿泊者は同4.2%減の1398万人泊となり、前年の水準を下回った。一方で、8月は全体で6682万人泊とわずかに持ち直し、日本人が同0.7%増の5329万人泊、外国人も同1.4%増の1353万人泊と増加に転じた。

 宿泊施設の稼働率では、8月の全体平均が65.9%と7月の61.4%から上昇した。施設タイプ別に見ると、リゾートホテルの稼働率が67.5%、ビジネスホテルが76.8%、シティホテルが75.4%と、いずれも前年同月を上回る水準を記録した。7月の都道府県別では、大阪府が75.2%と全国最高の稼働率を示した。

 7月訪日外国人の国籍別宿泊状況では、中国が最多の318万人泊で前年同月比3.7%増。続いて台湾167万人泊(同4.1%減)、米国139万人泊(同12.1%増)、韓国116万人泊(同24.7%減)、香港40万人泊(同49.0%減)の順となり、東アジア市場の回復にばらつきが見られる結果となった。

 地域別では、三大都市圏における外国人宿泊者数は944万人泊で、構成比は67.5%。一方、地方部では454万人泊で、前年同月比5.2%増と回復基調。島根、新潟、富山などで二桁増の伸びが確認された。

※日本人宿泊数含む