オーストラリア「グッデイ!」キャンペーンが第2弾に、「一生の思い出に残る旅」訴求

  • 2025年9月28日

 オーストラリア政府観光局(TA)は9月24日、グローバルキャンペーン「『グッデイ!』ではじめよう、オーストラリア」の第2弾を日本市場で開始した。キャンペーン第1弾はコロナ禍の影響が色濃く残っていた2022年に発表したもので、カンガルーのぬいぐるみのアニメーションキャラクター「ルビー」をブランドアンバサダーに起用しオーストラリアの旅行先としての魅力を発信。オーストラリアを旅行先として検討する消費者の増加で着実な結果を残せたという。

 第2弾では、オーストラリアは旅行者が帰国した後にも旅行中の体験から影響を受け続けたり思わず周囲に話したくなったりするような「一生の思い出に残る旅」が実現できることを訴える。今回もルビーが引き続き登場するほか、昨年から日本で実施している世界遺産キャンペーンでキャンペーンアンバサダーを務めているお笑い芸人のあばれる君も起用。世界遺産キャンペーンもグローバルキャンペーンの一環として第2弾に切り替える。

 TA日本・韓国地区局長のデレック・べインズ氏は、「(第1弾は)驚くほど好評で、日本人が次の旅行先を選ぶ際にオーストラリアを常に最優先候補として認識し続けるうえで極めて重要な役割を果たしてきた」と説明。そのうえで、新たな広告動画では実際の旅行者の視点や実体験によって「リアルで心に響く魅力的なオーストラリアの旅」を伝えられるように制作したとし、「本キャンペーンが皆様の心に響くことを強く願っている」と挨拶した。

 また、連邦上院議員でオーストラリア観光担当補佐大臣を務めるニータ・グリーン氏は、「来年は日豪友好協力基本条約の締結50周年を迎える。両国関係がさらに発展していく絶好の機会になる」と両国間の交流人口増加に期待。そして旅行予約のオンライン化やAIの台頭など旅行業界が著しい変化を遂げ、プロモーションの手段も多様化しているとしつつ、オーストラリアが「日本市場を重視する姿勢、両国の間に築かれた友情、私達の間に広がる大きな可能性」は変わらないと強調した。また、あばれる君についても、「日本市場では世界遺産の関心が高い。世界遺産検定の最高位であるマイスターを取得した彼ほどその魅力を伝え多くの方々に体験していただくきっかけを作れる方はいないでしょう」と起用の理由を語った。

(右から)TA政府関連渉外担当副局長 ターニャ・バーウズ氏、ベインズ氏、あばれる君、グリーン氏

 「グッデイ!」のグローバルキャンペーン第2弾では、米国、英国、中国、インドと日本の5ヶ国限定で各国の著名人を起用してプロモーション動画の内容も市場ごとに設定。日本ではあばれる君が実際に現地を訪れ、「グッデイ!」の動画だけでなく世界遺産キャンペーンでも3本の動画シリーズを制作した。

 特に世界遺産のシリーズでは、あばれる君がオーストラリア旅行の魅力を語れる「かたれる君」としておすすめの体験を紹介する「かたれるツアーズ」の企画を用意し、デインツリー熱帯雨林、ブルー・マウンテンズ国立公園、シドニー・オペラハウスを取り上げた。動画は、デジタル広告やソーシャルメディアに加えて東京都内の主要駅でも屋外広告として放映する。

 このほか、東京ではキャンペーン開始を記念してシドニー発のコーヒーロースター「Single O」の神田淡路町店でコラボメニューを10月26日まで販売。ルビーを描いたクッキーとコーヒーのドリップバックも数量限定の特典としてプレゼントする。

オージービーフのソーセージロール、スマッシュアボカドトースト、サラダ、ラミントンケーキをセットにしたコラボメニューとプレゼントのクッキーとドリップバック

 なお、TAマーケティング・マネージャーの江原正恵氏によると、第1弾では消費者がオーストラリアを旅行先として検討する度合いを高めることに成功し、特に広告に接した消費者については13%も上昇。江原氏は、「消費者は通常比較検討する場合訪問先を2、3ヶ国に絞ると言われている。最終候補に入らなければ競争から脱落することを意味し、検討段階に入ることは極めて重要」であるとし、検討度の上昇が認められたことから自信を持って第2弾に移行できていると説明した。