ニューオータニ、新戦略「Refine Otani」発表 建て替えに頼らない"継承"への挑戦

ホテルニューオータニは9月22日、新体制による経営戦略「Refine Otani」を発表した。建て替えをせずに既存施設を磨き上げ進化させる方針を掲げ、インバウンド拡大と国内富裕層戦略を両輪に据えて次の100年を見据えた取り組みを強化する。
発表会では、6月に取締役会長に就任した大谷裕子氏、2月に代表取締役社長に就任した清水肇氏、そして東京総支配人の高山剛和氏が登壇し、新体制のもとでの事業方針を示した。清水社長は「日本のリーディングホテルから世界のリーディングホテルへ」と述べ、創業61年目を迎えた同ホテルの再出発を強調した。
経営戦略の「Refine Otani」は、建て替えに頼らず歴史的建造物としての価値を磨き上げ、持続可能な都市開発のモデルを提示する試み。海外でば築50年以上の建物が歴史的価値を持ち次世代に受け継がれる例が多く、高山総支配人は「先人たちが築いた姿を未来へ継承することこそ真の価値」と語り、日本でもホテルニューオータニがその先駆けとなることを目指す。
具体的には、客室改修や宴会場の機能強化に加え、ハード面とソフト面を同時に進化させ、国際的に高まるMICE需要にも対応する。
また、インバウンド強化策として、館内のラグジュアリーホテル「エグゼクティブハウス 禅」に第4代目支配人として佐山由佳氏が就任。高付加価値な滞在体験を提供し、リピート率の向上を目指す。
一方、国内戦略では「ニューオータニクラブ」に新支配人として高畑真紀氏が就任。従来の「一見客から一生客へ」という理念を進化させ、会員のライフステージに寄り添ったおもてなしで利用率10%増を目指す。さらに、ダイナースクラブと共同で2026年5月に「ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカード」を発行し、国内富裕層との関係深化を図る。