マンダリン オリエンタル、CO2排出量30%削減 持続可能なホスピタリティの成果を報告

マンダリン オリエンタル ホテル グループはこのほど、持続可能なラグジュアリーホスピタリティを推進する取り組みと成果をまとめた2024年度版サステナビリティ・レポートを発表した。エネルギー効率の改善やプラスチック廃止、食品廃棄対策など、多岐にわたる環境・社会施策において着実な進展が見られた。
今回で14回目となるサステナビリティ・レポートでは、同グループが掲げる持続可能性目標の進捗が具体的な数値と共に示されている。温室効果ガス排出量は2012年比で30%削減され、エネルギー使用効率も21%改善された。ジュネーブでは、湖の深層水を活用した冷暖房システム「GeniLac」の導入により、環境と調和した技術活用が進んでいる。
アメニティや包装材の見直しにより、使い捨てプラスチックの使用は99%削減され、実質的に全廃が達成された。特にカリブ海のカヌアンでは、国連主導の国際的取り組みにも参画し、業界全体への波及効果を図っている。
食品廃棄削減にも注力しており、香港の従業員用レストランでは前年から73%の削減を実現。年間2.1万食相当の廃棄防止につながり、CO2換算で約36トンの排出を回避した。AIを活用した食品廃棄管理ツール「Winnow」の導入も始まり、年内にはグループ全施設への展開を予定している。
また、水使用量も2012年比で13%削減されており、ミュンヘンでは建物全体の温度調整に対応する冷却システムを導入して効率的な資源管理を進めている。
宿泊者を対象としたサステナビリティ施策への満足度調査では、92%以上が「満足」と回答。前年から1ポイント上昇し、ゲストからの支持も確実に広がっている。マンダリン オリエンタルは今後もサステナブルな成長と卓越したサービスの両立を目指し、グローバル展開を強化していく構えだ。