エバー航空・黃新支社長が語る、日本市場への展望と戦略

 エバー航空(BR)は5月19日、日本支社長に黃俊雄氏を新たに迎えた。30年以上にわたり同社の運航や海外支店で多彩な経験を積んできた黃氏は、日本市場の重要性と将来性に強い関心を寄せている。就任を伝える既報に続き、今後の展望や具体的な戦略について聞いた。

5月に実施された業界向けイベントに出席した黃俊雄氏
-日本支社長ご就任おめでとうございます。まずはご経歴についてお聞かせください。

黃俊雄氏(以下敬称略) 1991年にエバー航空へ入社し、台湾での空港業務を皮切りに、本社では運航計画や運航管理など、安全運航に関わる業務を担当してまいりました。その後、約9年間アメリカに駐在し、現地空港支店長や支社のマネージャーとして勤務しました。日本での勤務は今回が初めてで、日本市場や文化に少しずつ慣れながら、最適な戦略を築いていきたいと考えています。

-日本市場は、エバー航空にとってどのような存在なのでしょうか。

 台湾~日本路線は北米路線と並ぶ弊社の主力市場です。一方で、他社との競争が激しく、柔軟かつ的確な戦略の策定が求められます。これまでの経験を活かし、市場の小さな動きにも目を配りながら、最適化を図っていきたいと思っています。

-パンデミック後の訪台日本人旅行者数は2019年比で6割とのことですが、日台間の需要をどう見ていますか。

 円安や物価上昇、パスポート保有率の低迷といった要因が影響し、完全な回復には至っていません。一方で、訪日台湾人旅行者数はすでに過去最高を更新しました。台湾は親日的で近距離、リピーターも多く、日本発市場としてのポテンシャルは非常に高いと感じています。観光機関や旅行会社との連携を通じて、台湾の魅力をより一層伝えていきたいです。