観光業の求人企業がシニアの応募者を毛嫌いすべきでない4つの理由とは?-シニアジョブ中島康恵氏
はじめまして。シニア専門の人材紹介、人材派遣、求人サイトを提供する株式会社シニアジョブの代表取締役、中島康恵(なかじま・やすよし)と申します。今回は私たちが提供しているシニアの転職支援での知見、そして、私自身がシニア社員を採用した経験から、シニアだからという理由だけでシニアの応募者を毛嫌いすべきでない理由を4つご紹介します。採用スタンスの参考にしていただければ幸いです。
1.「シニアは頑固」は思い込み
シニアを採用したくない経営者や採用担当者の多くが、「シニアは頑固」「言うことを聞かない」「新しいことを覚えない」などを理由に挙げます。私自身も、実際にシニアを採用するまでそうしたイメージがありましたが、採用してみると、それは単なる思い込み・先入観に過ぎませんでした。

もちろん、シニアの中には頑固な人もいます。けれどもその比率は若手など他の世代と変わりません。シニアだから全員が頑固になるわけではなく、個々人の性格や資質によるところが大きいのです。
また、時代の変化でシニアの実態が変化している面もあります。例えば「シニアはITに弱い」というのは過去の話。今の60代は新卒からパソコンで仕事をし、スマートフォンを仕事で使用する機会も多かった人たちです。シニアに対するイメージもアップデートが必要です。
2.昔よりとても若い今のシニア
企業がシニアを採用したくない理由に、体力の低下や健康リスクも多く挙がります。残念ながら、若者よりも体力が落ち、健康へのリスクが高まるのは事実です。ですがこれも、その程度については大きな誤解があります。
スポーツ庁が公表している「体力・運動能力調査」では、新体力テストのシニアの平均点が年々良くなっており、今のシニアは20年前のシニアより10歳若いとも言われています。さらに、職場での技術の進歩や医学の進歩により、同じ仕事が以前よりも安全で楽になったり、病気から改善しやすくなったりしており、過去のイメージよりも若々しく、活気に溢れたシニアが増えています。
ただし、これはあくまでも平均の話。当然、個人差はありますし、年を重ねるほど、健康や体力の個人差は拡大する傾向にあるため、会社側もシニア側も油断や過信は禁物です。
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