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【スリランカ現地レポート】経済危機でガソリン不足や計画停電、観光地やホテルの影響は?

  • 2023年1月24日

ガソリン

 私が滞在した2022年の4~5月はガソリン不足になり始めた頃で、ある日、3レーンある一方通行の道路のうち1レーンが走行方向とは逆に車が連なっている光景を見ました。よく見ると、そのブロックにはガソリンスタンドがないので、隣ブロックのガソリンスタンドから列が続き、一方通行の車道にまで続いているという状態でした。夜中まで列は消えず、ガソリンスタンドの営業時間が終わる、または在庫切れとなるとドライバーは次の日に向けて車だけ置いて帰宅しているようでした。

一方通行の道路に、給油待ちの列が逆方向に(2022年5月撮影。現在は解消しています)

 この時期は、普段なら呼び込みが賑やかな、3輪自動車「スリーウィラー(スリランカ版トゥクトゥク)」も全く寄ってこず、配車アプリでもドライバーは近くにいるのに1台すらオーダーを取ってくれないという状況でした。ただ、それはコロンボ市内で自分の用事を足す私のケースで、現地の知人にツーリスト用の車両はどのようになっているか尋ねたところ、「観光業であることを証明する」または「観光客を乗せている」車両は優先的にガソリンを給油できるそうです。ただし、それでも簡単には給油できないので、ツアーへ出発する際に荷台にガソリンを積んでいます。スリランカにとっての観光業の大切さと、観光業に従事する関係者たちのプライドを感じました。

 その後、ガソリン不足による渋滞は政府が作った給油の頻度や量を管理する「給油管理アプリ」の効果もあり徐々に緩和されました。「給油頻度は週1回まで」「1回の給油は一人20リットルまで」という制限により、できるだけ公共交通機関を利用する人が増え、ガソリンを買い占めする人が減りました。また、買い占めたガソリンをブラックマーケットで売買するブローカーが減ったことも、制限の効果と言えるでしょう。

SLTDA登録会社であれば車の手配も安心

 そして現在はスリランカ観光発展局(SLTDA)に登録されている事業者であれば、旅行者のパスポート情報を登録することで「FUEL ASSISTANCE PROGRAM」という特別措置が取られ適宜給油できるようになっています。制限がありつつも、国全体的の給油状態が落ち着いていることから、スリーウィラードライバー達の呼び込みも復活しています。

買い物・ローカルショップ

 コロナ禍で影響を受けたお店は多く、旅程を作成の際には確認が必要です。有名なところでは、コロンボ・ダッチホスピタル内のスリランカを代表する雑貨店「ベアフット」が閉店となり、今はコロンボでは本店のみの営業です。

ディルマ t-ラウンジ。ネゴンボ店は閉鎖しましたが、商業都市コロンボではコロナ禍でも店舗が増えました

ネゴンボのディルマtラウンジの跡地に出来たベジタリアンカフェ「コッタマリ カフェ byロハン」

 ネゴンボでは、紅茶の老舗ブランド「ディルマ t-ラウンジ(Dilmah t-lounge)」や人気雑貨ブランドベアフットの類似系ブランド「セリン(Selyn)」も閉店になっていました。しかし、ディルマ t-ラウンジの跡地にはベジタリアンにも優しい「コッタマリ カフェ バイ ロハン(Koththamalli Café by Rohan)」や、セリン跡地の近くには"メイド・イン・スリランカ"のビーチサンダルブランド「ウェーブス(waves)」などがコロナ禍で新しく誕生し、お客様をお連れするには不自由しません。なお、ひとつ注意して欲しいのは、夕方に買い物やローカルのお店、カフェに訪れる場合です。この時間帯はエリア問わず、計画停電が起こる可能性があるようです。