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ハワイから各島の観光局代表が一挙来日、セミナー開催-再生型観光に引き続き注力

  • 2022年11月21日

各島がDMAPの取り組みや最新の素材を紹介

 ハワイでは島ごとに2021年から23年までの3ヶ年の「デスティネーション・マネージメント・アクションプラン(DMAP)」を作成し、経済と地域のコミュニティ、自然・文化資源、住民の生活と観光のバランスを保ちながらの観光再生に取り組んでいるところ。特に各島とも地元住民・コミュニティとの対話を重視し、観光業だけでなく他産業や行政などの意見も取り入れて問題の解決や新商品の造成などを進めている。今回のインタビューでは、来日した各島の観光局長がそれぞれの島のDMAPについて解説した。

カウアイ観光局のスー・カノホ氏

 カウアイ観光局局長のスー・カノホ氏は、DMAPではホットスポット(オーバーツーリズムに悩むエリア)のメンテナンスや問題点の解決に注力していることを紹介。例としてハエナ州立公園を挙げ、オンラインでの事前予約を導入し、新たにシャトルの運行も開始したことを説明した。さらに「マラマカウアイ」のビデオを作成してマラマ(思いやり)のある滞在を旅行者に呼びかける取り組みを実施。地域経済活性化のために、ローカルショップや「メイドインカウアイ」商品のアピールもしているという。

オアフ観光局のノエラニ・シェリング-ウィーラー氏

 オアフ観光局局長のノエラニ・シェリング-ウィーラー氏は、DMAPでは10のアクションプランと49のサブアクションプランを作って取り組みをしていることを語った。オアフ島ならではの取り組みとしては、不動産の高騰による地域住民への影響を踏まえ、他島に先んじて違法なバケーションレンタルの取り締まりを強化しており、新たに条例を制定したことを説明。このほかハイブリットカーの利用を推奨し、ラッシュアワー情報を提供し、バスの利用を呼び掛けるなどレンタカー対策にも取り組んでいることも明かした。

マウイ観光局のリアン・プレッチャー氏

 マウイ観光局PR&マーケティングディレクターのリアン・プレッチャー氏は、マウイ島、ラナイ島、モロカイ島の3島について説明。ホットスポットに事前オンライン予約制の導入や、地元住民と協力した注意事項の説明やツアー造成などに取り組んでいることを語った。マウイ島についてはサンゴ礁の保護に注力しており、サンスクリーン(日焼け止め)を条例で規制している。今年12月からはミネラルオンリーのもののみ利用できるようなり、州立公園などに利用できるサンスクリーンのディスペンサーを置き、観光客などに無料で利用してもらえるような取り組みもおこなう。

ハワイ島観光局のロス・バーチ氏

 ハワイ島観光局局長のロス・バーチ氏は、ホットスポットのメンテナンスや改善に取り組んでいるほか、バケーションレンタルの規制についても取り組みを始めたことを説明した。さらにマラマハワイプログラムとして、フィッシュポンドの復元活動やビーチクリーンナップなどを実施しているところで、「どのようにプロダクト化するかがカギ。地元住民の参画と商品化を進めている」と話した。人気のマンタダイビングツアーについては「多少オーバーツーリズム気味で問題になりかけており、参加者の満足度を高めるためにどう規制をしていくか検討している」という。

Meet Hawaiのアンドリュー・コー氏

 このほか、インタビューではハワイでMICEの誘致を担当する「Meet Hawai」のアジア/オセアニア地区エグゼクティブディレクターを務めるアンドリュー・コー氏が挨拶。グループ需要が順調に回復して生きていることを明らかにし、2023年以降は数百人単位のグループが予約済みで、1000人規模のグループも「確定案件ではないが申し込みがある」とした。その上で「世界的にSDGsが進む中、今後はマラマハワイのメッセージを分かってもらえる人に体験をしてもらいたい」とコメント。マラマハワイのブランド力でMCIの誘客に努める考えを示した。