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【リクエストインタビューvol.2】ワーケーションで組織と個人のウェルネスを-リアライブ/リゾートワークス代表 柳田将司氏

  • 2022年9月14日

福利厚生の充実で従業員の定着を支援、地方創生への貢献も

-リゾートワークスの仕組みについて教えてください。

柳田 リゾートワークスには現在、全国120ヶ所の施設掲載があり、従業員の方と2親等以内のご親族が利用できます。代表的な施設としては、ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄やメルキュール東京銀座などがあります。

 ビジネスモデルとしては法人・個人会員から月額費用をいただく形で、会員は一般的な価格の2割から5割ほどの価格で宿泊可能になります。特別価格で流通できる理由は2つあります。1つはOTAのように手数料を上乗せせず仕入れ値で提供しているためと、もう1つは施設から一定数の客室を借り上げて提供しているためです。後者にはリスクがありますが、その分より安価に仕入れることができています。

 企業からすると、ワーケーションを推奨したくても、費用をすべて負担するのは難しいですよね。でも一般的な価格より安価なこの価格であれば、従業員の方が自己負担して利用することもできるので、働き方改革やテレワークの推進の手段として提案しています。

 施設側に関しては、稼働率を上げるという面が大きいです。またOTA以外への販路の拡張や、新たな層のクライアントの獲得というニーズもあります。リゾートワークスには経営者層などの会員も多くいらっしゃるので、富裕層へのリブランディングをしたいといったニーズにも応えられます。

-今後の課題や目標をお聞かせください。

柳田 掲載施設を増やしたいということですね。現状では沖縄の施設が多く、大阪・福岡など主要都市の施設掲載が十分ではありません。出張需要も取りたいとも考えているので、こうした都市の施設を増やしていきたいです。また主要都市に関わらず、ワーケーションに先進的な施設、自治体との連携を強化していきたいと考えています。

 その根底には、宿泊施設の稼働率を上げることで地方創生に貢献し、観光産業を良くしていきたいという思いがあります。営業をしていると、平日と休日の稼働の差、閑散期と繁忙期の稼働の差が大きいという声をよく耳にし、その面でもワーケーションは期待されていると感じます。企業にワーケーションを提唱することで、地方に人が訪れる流れを作りたいですね。施設が少ないと利用したいという動機付けが難しいので、やはり課題は掲載施設数の拡大です。

 戦略としては、1泊6000円から1万円くらいの価格のホテルを、土日も含めた5000円のワンレートで仕入れる話を進めています。企業側からすると、従業員の方もこれまでよりもランクの高いホテルに泊まることができ、出張費も削減できる。施設側は稼働率が上がる。特に中小ベンチャー企業向けの福利厚生として利用してもらいたいと思っています。

-ワーケーションを提供する会社は増えてきていますが、競合との差別化のポイントは。

柳田 現状では個人利用が多く、企業の福利厚生や働き方改革を提案できるサービスは、ほかではまだ聞きません。当社でも法人会員とは別に個人会員も扱っていますが、オフサイトミーティングや合宿などを含めた企業向けの提案を進めていきたいと考えています。

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