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新型コロナでどう変わった? この先どうなる? 航空業界・航空人材の雇用―アクティリーゼ 野村勝昭氏

航空人材を支援するポータルサイトCREWNETを有志運営
コロナ禍中は再就職支援にも尽力

-成田空港ビジネスとの業務提携にはどのような経緯があったのでしょうか。

野村 もともと、先方の求人情報をわれわれのサイトで掲載するなど、スポット的なお付き合いはありました。昨年ぐらいから「お互いの強みでお互いの弱みを補完していけば、それぞれのビジネスが上手くいくのではないか」という話になり、提携に至りました。

 あとは、航空業界の深刻な人手不足に対する懸念もありましたね。何年かすれば国内の人材だけでは足りなくなり、外国人人材も採用しなければいけなくなることは目に見えています。「今から一緒に備えておきましょう」ということになりました。

 最終的には、航空業界から異業種への転職もしくは航空業界内での再就職を志望する方の、出口を広げることを目指しています。また、CREWNETは航空業界内では知名度があるのですが、航空業界外では知らない方が圧倒的に多いため、先方の知名度と信頼性にも期待しています。そして、われわれは機動力でお役に立てれば、と思っています。

-コロナ禍が始まってから2年以上が経過しています。この期間にサイトを運営していて、あるいは利用者と接していて、何か大きな変化は感じられますか。

野村 いろいろな業種の一業種として航空業界を見ることができる方が増えましたね。以前は、航空業界しか目に入らないという方が多かったんです。それともう1つ、志望者の層が入れ替わったというのでしょうか。以前の志望者だったら誰でも知っているような航空関連の専門学校も、「知らない」という方が出てきてびっくりしました。航空業界で人材募集がなかった2年間のブランクを感じましたね。でも、これは良い変化だと思います。

-再就職支援も手がけていらっしゃいますが、再就職の状況は、コロナ禍の前後でそれぞれいかがですか。

野村 コロナ禍前後で大きく変わった点は、異業種に転職せざるを得ない方が圧倒的に増えたということです。順調にキャリアを積み重ねてこられたマネジメント層の方々が「もう来月で閉めますので辞めてください」と突然放り出され、途方に暮れつつ転職活動をされというケースは以前からありましたが、そういう方々が異業種に転職されるということはほぼありませんでした。現在、アクティリーゼの求人情報の99%は、航空業界や観光業界以外の求人です。

 この状況での転職活動で障害となるのは、自分の強みや弱み、それを航行業界以外のどういうところに生かせるのか、どう生かしていけばいいのか、あるいはどうアピールするのかが分からないということです。企業の求める人物像や求人票を踏まえた上で自分をどのようにアピールするか、われわれは求職活動中の方々が自分の強みや弱みに気づくようにサポートしています。また、求人をする企業に対しては、志望者のこれまでの業務経験も踏まえて何を得意とされているかをお伝えし、採用判断のお手伝いをしています。

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