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年間100泊の「お宿好き」が思う、「心に残る宿」の共通点―Loco Partners塩川一樹氏寄稿

  • 2022年3月22日

 Loco Partnersの塩川一樹です。2013年より宿泊予約サービスRelux(リラックス)を立ち上げ、運営しています。仕事と趣味が重なる「お宿」について(自由に…!)書きとめてもらいたい、とのことでしたので、経験を活かして「心(記憶)に残るお宿」を思い返し、様々な「お宿の在り方」をエピソードとともに振り返ってみたいと思います。

※なお、お届けしたいのは具体的な施設の名前ではなく、考え方やエピソードであり、あくまで「お宿好き」な私自身の主観にすぎないことから、現存する国内宿泊施設の名称等は曖昧な表現にいたしました。ときどき旅館・ホテルを「お宿」と愛着を込めて呼び、徒然なるままにそこはかと書きますこと様々ご容赦ください。

センス・オブ・アライバル(到着したときの第一印象)を大切にしている宿

 まず思い出したのは、2013年5月に26年の歴史に幕を閉じた「ホテル西洋銀座」のH支配人の言葉(今はおそらく横浜のホテルでご活躍ではないかと推察)。「私たちにとってのスイートルームは、ゲストが最初に目にするホテルの玄関だ」とおっしゃっていました。

 お客様は様々な思い、背景があってホテルへやってくる。その「到着したときの第一印象」がお客様の滞在の満足度の大勢を決めるのだと。そして宿泊体験がはじまるチェックインよりも前に、お客様の脳裏を想像することが何よりも重要な事前準備であると。ホテルに期待するストーリーを想像して共感し、渾身の笑顔で「お帰りなさいませ」とお迎えすることをホテリエとして一番大切にしているとのことでした。お客様はホテルに到着した瞬間から心が解放され、ホテルの方々と一緒に滞在を良いものにしたいと思いながら滞在時間が作られていくのだと。

 同じように、長年の大親友のホテルマン(先日開業した富山のホテルの総支配人)にも同じことをホテル談義(不定期開催の飲み会)の際によく教えてもらいました。ホテルとしてゲストに対して大切にしたい考え方が「センス・オブ・アライバル」であり、到着したときに勝負をかけるべき瞬間があることを教わりました。

 豪華なスイートルームよりも、最高の笑顔と共感でお客様のご到着をお迎えすること。この考え方を大切にしているお宿は、自然と記憶に残っていることが多いように思います。

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