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埋もれた観光資源を広める手伝いを-道の駅「新潟ふるさと村」館長 宮崎俊麿氏

  • 2022年2月21日

団体旅行の受け皿を襲ったコロナ禍
佐渡の世界遺産登録とトキエア就航に期待

-仕入れ先である地元の関連事業者の方々も非常に厳しい状況にあると思います。

宮崎 当館へしか商品を卸していない会社もあるので、本当に厳しいと思います。これまでは、新潟ふるさと村内での販売だけでなく、県から依頼を受けて他県で物産展を開いたり、アンテナショップに商品を出すことも多かったのですが、そういった機会もなくなっています。

-館長お薦めのお土産を教えてください。
県内各地の銘柄が揃う

宮崎 やはり米どころの新潟県なので、米菓やお酒がお薦めです。県内には現在88の蔵元があり、当館にはほとんどの蔵の商品が揃っています。ここでしか販売していない銘柄もありますよ。水産物も新鮮なものが集まってきます。

-佐渡金山のユネスコ世界文化遺産候補への推薦やトキエアの就航など、明るい話題もあります。

宮崎 世界遺産についてはまだ推薦の段階ですが、反応は大きいですね。身近なところでは新潟港と佐渡島を繋ぐ佐渡汽船の株価も上昇しています。

 トキエアには大いに期待しています。新潟県知事も運輸省の出身で、航空は得意とする分野です。東京‐佐渡の航空便を運航してほしいという要望は、昔から旅行業者さんからも挙がっていました。現状では佐渡島に行く場合、船を利用すると、最も早いジェットフォイルでも新潟港から1時間、フェリーだと2時間半かかります。新幹線で1時間40分かけて新潟まで来て、そこからさらにとなると、旅行商品にもしづらいですよね。

 佐渡空港にはジェット機が降りられず、これまで飛んでいたのはセスナ機ぐらいでした。用地買収が難航し、国内の離島の中でも整備が遅れていたのですが、トキエアが道を拓いてくれることを願っています。

-観光産業事業者やそのほかの事業者との協業についてはどのようにお考えですか。

宮崎 新潟ふるさと村を中心に旅行会社や県内の旅館などにも営業活動を行っています。また、新潟には中国・韓国・ロシアの領事館があり、日ごろから接触を持ち、インバウンドの誘客をお願いしています。コロナ収束後も、こうした関係は非常に大事だと考えています。

-観光産業に従事する読者へメッセージをお願いいたします。

宮崎 新潟の観光はあまり有名ではありませんが、埋もれた観光資源があちこちに散らばっています。私たちは、そうした素材を広めるお手伝いをしていきたいと考えています。例えば今、「ものづくりの工場見学」という新しい観光が生まれてきています。新潟には三条燕をはじめとして、様々なものづくりの場があります。こうした情報を発信し、新しい商品にしていってもらいたいと思います。

-ありがとうございました。