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地域に分け入るJAL社員たち~三重県志摩市編~

  • 2022年2月14日

街全体が国立公園
自然の活用と保護を両立する持続可能な観光地を目指して


-今後の需要回復も見据えて、コロナ後はどのようなターゲットにどのような商品・素材を紹介していきたいですか。

 志摩市は市全域が伊勢志摩国立公園に含まれており、ゴルフやサーフィン、シーカヤックといった豊かな自然を感じられる観光プログラムが多数あります。また、ゼロカーボンシティ、ゼロカーボンパークに選定され、近年、電動自転車や電動キックボード、Eバイクなどの拡充に力を入れています。こうした環境のなかで、楽しみながら環境問題を学べるような観光商品ができればと考えています。特に海外の方は環境問題への意識が高いので、今後はインバウンドでも注目され、ワーケーションなどにも活用できるのでは、と考えています。

 また、需要回復期に向けては、2021年12月に、宿泊・観光事業者を対象にJALの「おもてなし講座」を実施しました。受け入れ体制の強化も引き続き進めていきたいと思います。

-観光事業者や他の自治体と連携して取り組みたいことがあれば教えてください。

 生活様式の変化で、旅行のかたちも今後大きく様変わりしていくと思います。新しいニーズに対応すべく、しっかりとアンテナを張って、旅行会社、宿泊施設、観光施設のみなさまと連携をして、先手先手の準備をする必要性を感じています。また、将来的なインバウンドの取り込みなどを考えると、他の自治体との連携も不可欠だと思います。それぞれ抱える課題は多々あり、簡単ではありませんが、JALグループのメンバーが出向している市町村をはじめとして、自治体同士で連携することにより、前向きな取り組みができればと考えています。

産業振興部観光課 主事 森本泰史さん

大学卒業後、金融機関で7年間勤務した後、2016年に生まれ故郷である志摩市にUターンし、志摩市役所に入庁しました。その後は課税課、国土交通省への出向を経て、現在所属する観光課で主に誘客事業や観光PR事業を担当しています。

観光が主幹産業である志摩市にとって、コロナが市経済へ与えた打撃は非常に大きく、今もなお先が見えない厳しい状況が続いていますが、コロナ禍で大きく変化する人々の価値観に対応した新たな志摩市の魅力を積極的に発信していけたらと考えています。
-観光資源やお薦めの食、特産品などをご紹介ください。

 陸域全域が伊勢志摩国立公園区域内に含まれる志摩市は、日本の国立公園の中で最も定住人口が多く、豊かな自然と歴史、それらと人々の暮らしが調和する姿が特徴的な地域です。

 豊かな自然、温暖な気候を活かしたアウトドアやアクティビティを年間を通じて楽しめるほか、高級ラグジュアリーホテルや大型リゾートホテルから老舗の旅館まで、数多くの宿泊施設を市内に有し、バリエーションに富んだ滞在が可能です。また、古くから朝廷や伊勢神宮に食材を納める食のブランド地域としての長い歴史を持ち、「伊勢えび」、「あのりふぐ」、「的矢かき」、「あわび」など、豊かな自然が育む良質な食材は、志摩の観光の最大の強みでもあります。

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