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【弁護士に聞く】改正個人情報保護法への観光業界としての備え

ポイント③ 外国の事業者への提供の規制強化

 事業者が、外国にある第三者に個人データを提供する場合は本人の同意を得る必要がありますが、改正法では同意を得る際に、移転先事業者における個人情報の取扱いに関する外国の制度等につき本人への情報提供義務が課せられました。主に旅行業者が外国のランドオペレータや航空会社、ホテル等に旅行者の個人データを提供する際に、当該国の個人情報法制を調査しなければならない大きな負担がかかると思われます。

ポイント④ 罰則の重罰化

 既に2020年12月12日から施行済みですが、罰則が別表(個人情報保護委員会ホームページから転載)のとおり、重罰化されました。

改正前後の法定刑の比較
懲役刑罰金刑
改正前改正後改正前改正後
個人情報保護委員会からの命令への違反行為者6月以下1年以下30万円以下100万円以下
法人等--30万円以下1億円以下
個人情報データベース等の不正提供等行為者1年以下1年以下50万円以下50万円以下
法人等--50万円以下1億円以下
個人情報保護委員会への虚偽報告等行為者30万円以下50万円以下
法人等--30万円以下50万円以下


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三浦雅生 弁護士
75年司法試験合格。76年明治大学法学部卒業。78年東京弁護士会に弁護士登録。91年に社団法人日本旅行業協会(JATA)「90年代の旅行業法制を考える会」、92年に運輸省「旅行業務適正化対策研究会」、93年に運輸省「旅行業問題研究会」、02年に国土交通省「旅行業法等検討懇談会」の各委員を歴任。15年2月観光庁「OTAガイドライン策定検討委員会」委員、同年11月国土交通省・厚生労働省「「民泊サービス」のあり方に関する検討会」委員、16年1月国土交通省「軽井沢バス事故対策検討委員会」委員、同年10月観光庁「新たな時代の旅行業法制に関する検討会」委員、17年6月新宿区民泊問題対策検討会議副議長、世田谷区民泊検討委員会委員長に各就任。