ハワイの「今」を駐在員の視点から-オミクロン感染者急増も、規制の再強化は「様子見」

ブースター接種を奨励するハワイのワクチン接種状況

 12月の月末時点での島別のワクチン接種完了者の割合は以下となっています。

州全体ホノルルマウイハワイカウアイ
74.1%77.0%67.0%66.0%71.0%
2021年12月28日現在:State of Hawaii, Department of Health

 鈍化していた過去2ヶ月の接種率に反して、12月は全島に於いて3%ほど増加しています。原因はやはり、オミクロン株の急拡大が挙げられると思います。次いで、各地域の小学校で実施されている巡回ワクチン接種の利便性や日常生活におけるワクチンパスポートの利用頻度の上昇、なども考えられると思います。

 尚、州全体の人口比では約74%ですが、ワクチン接種が可能な5歳以上の全州民を対象とした場合は79.1%となり、約8割がワクチン2回接種済となり、当初に予定していた集団免疫の状態に届いています。また、未接種者が少数となった現在では、保健局の統計表では「接種済者数」と併せて、「未接種者数」も発表されており、約36万7694名が未接種となっています。

 ブースター接種は既に35万1513回行われており、ハワイでは16歳以上はファイザーのみ、18歳以上は、ジョンソン&ジョンソン、モデルナも接種可能となっています。飲み薬の開発も進み、なかなか進まなかったブースター接種でしたが、急速に増加する新規感染者数の影響からか、接種をした人が周辺にも増えてきているように思います。

 ワクチン接種の年齢制限が一気に解除されたのが昨年5月でしたので、多くの人が2回目接種から6ヶ月が経過し始めていますので、これからブースター接種を行う人は更に増えると予想できます。

市中の各薬局でもワクチン接種専用カウンターが設けられています。

ハワイで実施されている規制

 海外からハワイへ到着する場合は、米国入国に関する規制が適用されますので、外国人は「陰性証明書」だけではなく、「ワクチン接種証明書」が必要です。ただ、自主隔離は不要ですので、到着後はその日からハワイ旅行を楽しむことが可能です。また、「密を避ける」ために施行されていた収容人数制限も解除されています。

 しかしながら、「セーフアクセス・プログラム」は継続して実施中です。レストランや映画館などの屋内施設を利用する際は、「ワクチン接種証明書」の提示が必要ですので、外出時は常に持ち歩く必要があります。

 尚、その他の注意点としては、規制撤廃後の現在は再規制実施の権限が、状況に応じて柔軟に対応できるように、知事から各島の長へと変更になっています。現在、ハワイ島に限り「室内での集まりは10名まで」と再制限が実施されています。また、マウイ島では、2回目接種後に6ヶ月経過時点でワクチンパスポートの効力を失う措置も検討されていますので、ブースター接種が必須となります。

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