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7月にリブランド「立地も建物も市場で勝ち抜けると確信」-ハイアット リージェンシー 東京ベイ総支配人 藤野晴彦氏

  • 2021年9月6日

新浦安エリアはアーバンリゾートに適した立地
回復期にはいい意味での旅行需要の反動が起きる

 フルサービスのホテルに生まれ変わり今年7月に開業したばかりのハイアット リージェンシー 東京ベイ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響による予定延期を乗り越え開業に漕ぎ着けた。コロナ渦中の厳しい船出となったホテルをどうかじ取りしていくのか。藤野晴彦総支配人に聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

ハイアット リージェンシー 東京ベイ総支配人の藤野晴彦氏
-初めに藤野さんの自己紹介からお願いします。

藤野晴彦氏(以下敬称略) 新卒でホテル企業に就職して以降、30年以上ホテル業界で仕事をしています。大学卒業後すぐにニッコーホテルズを運営していた日本航空開発に入社し、ほぼすべてのセクションを学ばせてもらった後は海外勤務が長くなりました。一時的に日本へ戻った時期もありますが本社勤務を経て再び海外へ赴任するような生活でした。ホノルル、パリ、サイパンのほか、中国では北京や大連で10年以上仕事をしてきました。海外勤務の最後はベトナムで、ホテル・ニッコー・ハイフォンに開業からかかわったのを最後に、ハイアット プレイス 東京ベイがまだ休業中の昨年10月に勤務を開始しました。

-ハイアット プレイスからハイアット リージェンシーにリブランドした経緯を説明ください。
スイート10室やクラブルームを含む、全24タイプ、350室を有している ©ハイアット リージェンシー 東京ベイ

藤野 ハイアット プレイス 東京ベイは2019年7月に開業し営業していましたが、1回目の緊急事態宣言を受けて休業しました。この時点でオーナーがパンデミックは短期間に終息せず事態が長引くと予想したうえで、アフターコロナを見据えてどう対応していくべきか日本ハイアットと共に検討しました。

 その中でホテルが立地している新浦安エリアにはサービスを絞り込んだ宿泊特化型ホテルが集中しているのに対し、フルサービスのホテルがない点に着目するようになりました。ホテルからは東京湾が一望でき、加えて目の前には公園が広がり緑も多く素晴らしいビューに恵まれており立地は都心からはわずか30分の距離。アーバンリゾートに適した立地です。ここからフルサービスのホテルへリブランドする案が生まれ、宴会やウエディング需要も取り込めるよう全体をグレードアップしてリブランド・オープンすることが決まりました。

-コロナ禍がきっかけでリブランドに踏み切ったということですね。

藤野 このホテルは宿泊特化型の「セレクトサービス」ブランドとして開業したのですが、ハードはそもそもオーバークオリファイドとも思えるほどの器でした。ですからフルサービス型ホテルへの衣替えにもすぐに対応できました。立地も建物もフルサービスにリブランドして市場で勝ち抜けることを確信しています。

-いったんはリブランド・オープンを今年4月と発表ましたが3カ月延期となった理由は何ですか。

藤野 コロナ禍はホテル業界だけでなく社会全般に影響を及ぼしており、感染状況は常に変化し続け見通しが困難でした。改装工事の工期にも影響を与え総合的に判断した結果7月開業となりました。

-リブランドに伴うハードとソフトの主な変更点を教えてください。
新設した9階のリージェンシースイートキング ©ハイアット リージェンシー 東京ベイ

藤野 ハード面ではクラブフロアとクラブラウンジを開設しました。スイートも3室から10室に増やしました。ファミリー需要を想定してファミリールームの他にコネクティングルームも用意し、最大8名利用を可能にしました。規模は大きくありませんが宴会場も新設。ブッフェ式宴会でもスペースを有効活用できるよう、壁際部分に手を加えフードステーションを効率的に設置できるよう工夫しました。ルーフトップ部分は挙式もできるよう改装しました。

 ソフト面ではドアマンやベルデスクを新設したほか、お客様一人ひとりに十分なサービスを提供できるよう品質向上を図りました。

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