「日本は重要な存在」業界と協力して観光の復活へー駐日スリランカ大使 サンジーヴ・グナセーカラ氏

美しい自然と豊かな文化、コロナ後は教育旅行にも注力

-日本を含めた海外からの観光客の復活に向けた今後の取り組みをお聞かせください。旅行会社との協働の可能性もあるでしょうか。

グナセーカラ 現在は月1回オンラインで、アーユルヴェーダやカレー、スパイスなどをテーマにツーリストプロモーションを行っています。状況が落ち着いたらオンラインとリアルのハイブリッドなコンテンツを提供していきたいと考えています。来年はリアルでのイベントやエキスポも実施する予定ですので、旅行会社の皆さんとも一緒に企画していきたいと思っています。

 もう1つ強力に進めているのが教育旅行です。日本では英語の勉強をするとなるとニュージーランドやオーストラリア、カナダなどを留学先に選ぶことが多いと思いますが、実はスリランカも英語教育のレベルが高いのです。インターナショナルハイスクールも多く、オーストラリアやイギリスの大学と提携している大学もあります。

 今年の8月には既に日本から10名の学生が渡航することが決まっています。メインは高校生ですが、大学生にも広げていきたいと考えており、旅行会社の皆さんにもプロモーションにご協力いただきたいと思っています。将来的には現地に日本語と英語を話すコーディネーターを置き、ホームステイをサポートするプログラムにしたいと考えています。

-トラベルビジョンの読者へメッセージをお願いいたします。

グナセーカラ スリランカにとって日本は非常に重要な国です。観光客の人数としてもヨーロッパ、中国に次いで多く、なかでも個人で訪れてくれる日本の旅行者はとても大切な存在です。私の日本での使命は旅行会社や旅行者の皆さんとスリランカとの架け橋となることです。是非協力してツーリズムの活性化に努めていきたいと思います。

-ありがとうございました。

比留間氏

 インタビューでも触れられている通り、スリランカ大使館では2国間の関係の活性化のため、積極的に旅行会社や関連事業者との連携を行っている。先日は以前弊誌でも取材した、都内でアーユルヴェーダサロンを開く比留間絢子氏(※)と共同でスリランカセミナーが開催され、観光産業関係者など約30名が参加した。
※比留間氏の過去の取材記事はこちら(インタビューサロン取材


セミナーで振る舞われたスリランカのバナナリーフカレー

 比留間氏からはスリランカと日本との関わりや観光資源について、大使館からは現在の観光客の受け入れ状況などが説明された後、会場は現地とオンラインで接続。 当初はガイドが街中を案内する予定だったが、セミナー時はスリランカが再度ロックダウン期間に入っていたため内容を変更し、ガイドの自宅の庭からリアルタイムで料理を作る様子が中継された。参加者は昼食として振る舞われたスリランカカレーを楽しみながら交流を楽しんだ。

左からG.G.S.C.ロシャン公使、サンジーヴ・グナセーカラ大使、比留間氏