itt TOKYO2024
itt TOKYO2024

カナダの「今」を駐在員の視点から-州毎に進むワクチン接種、ワクチンパスポートへの動きも

 今回は、カナダにおけるワクチンパスポートへの動き、及びカナダの観光主要6地域の5月中旬現在の様子をご報告させていただきます。

カナダのワクチン接種

 カナダのワクチン調達、分配はカナダ連邦政府により行われますが、実際の接種は各州・準州政府に原則委ねられています。医療従業者、介護施設従業者、高齢者、先住民、高感染地域への優先接種を行い、その後年齢グループ別の接種となります。

 現在政府の認可を受けた製薬会社5社のワクチンのうち、主に普及しているのはファイザーとモデルナです。ジョンソンエンドジョンソンのワクチンは1回のみでも有効なワクチンとしてカナダに4月末に到着しましたが、接種後の血栓の症状が散見されることから、5月中旬現在使用を取りやめています。同じく、アストラゼネカ社の薬局接種が一度認可されたものの、同様の血栓症例により一時接種を中断している州があります。今後は、第1回接種と第2回接種の製薬会社を異なるものとし、接種を促進することもあり得るとの政府の発表がありました。

 2回目の接種の間隔も州により異なり、ブリティッシュコロンビアは16週間後、アルバータは4週間後、ケベックは14週間後程度などさまざまです。

ワクチンパスポートへの動き

 5月初め、トルードー首相と担当大臣より新型コロナウィルスのワクチン証明である「ワクチンパスポート」を旅行者に対して義務付け、海外諸国と協力して行く意向がある旨を発表しました。

 ケベック州では、試験的にQRコードで読み取り可能なワクチン接種証明のデジタル版を発行し、職場環境の再構築に役立てる動きを発表しましたが、賛否両論が出ています。現在接種した際の証明は紙ベースですが、次ステップとしてデジタル化は当然出てくる動きというのがケベック州政府の見方です。

 カナダの医療は国民皆保険制度を利用しており、原則公的負担の為、同パスポートの管理は比較的容易ではないかとの見解もあります。

観光主要6地域のワクチンとビジネス状況

バンクーバー
 保健管轄地域別に大型施設、地域のコミュニティセンターを会場とした接種が行われています。弊社バンクーバー支店スタッフも先日、大型コンベンションセンター、バンクーバーコンベンションセンターにて第1回接種を受けました。

大型コンベンションセンターがワクチン接種会場

 事前に電話やウェブサイト等で登録をすると、予約の順番となったら連絡が入ります。会場と接種日・接種時間を選択したら、あとは当日会場へ向かうだけです。

 利き腕と逆の腕に接種、チクっとした感覚はほんの数秒とのこと。接種後は念のため15分から30分程度待機します。副作用がないか待機・確認を終えた後、第2回接種は16週間後との連絡を受け、会場を後にして終了となります。

次ページ >>> ナイアガラ、カナディアンロッキー、プリンスエドワード島