企業が格好良くあるということ ー 20代社員が振り返る今週のニュース

 業界の横の繋がりをホールセラーがリードして作る。アット・ザ・スカイ代表の田中氏がインタビューでおっしゃられていますが、たしかに一理あります。JATAなどの業界団体を除けば最も多くの旅行会社と繋がりを持っているのはホールセラーでしょうし、ホールセラーは旅行会社が元気でなければ存続もできないわけですから、多くの旅行会社に生き残っていただくためにリードしていくというのは自然な気もします。

 ただ、これには(弊社事業にホールセラーがある贔屓目が多分にあることは自覚しつつ)実現が難しい問題もあります。まずそもそもホールセラーも大きく傷んでいます。この状況を耐え抜くために特別有給休暇を社員に与え、電話対応を止めたり営業時間を短くすることでなんとかコストセーブを図っているのが現状ですが、そんな中新しい試みに人的リソースを割くのであれば、それなりに利益が見込めないと苦しいものがあります。そして、この横のつながりを作る動きは少なくとも短期的にホールセラーの利益にはならないのです。だからこそ、業界団体こそこういった動きをしてよ、と言いたい気分になります。

 しかし、上記の言い分がダサいなというのも自覚があります。紅芋タルトで有名な御菓子御殿は、行政の援助に頼らず、紅芋農家から紅芋を購入され続けておられます。こんな格好良い会社がありますか?こういったお話を聞くと、行政がー業界団体がーと言う前に自分たちで動くほうが「格好良い」よな、とも思うわけです。

 格好良さで経営が成り立つわけではないのはわかっています。なので、経営を無視した若造が好き勝手言っているだけの話ですが、やはり自分の会社が格好良いというのはモチベーションにもなります。以前のこのコーナーでも触れましたがすでに人気職としての立場を失っているこの業界が、有望な人材を手に入れるのは案外こういったところかもしれませんね。