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文化コンテンツを通じて相互理解を―韓国専門の三進トラベルサービス代表 立木健康氏

  • 2021年3月1日

専門旅行会社ならではの「オンラインツアー」
SNSで新たな客層を掴む

-これまで人気のあったオンラインセミナーについて教えてください

立木 当社は北朝鮮への旅行も手掛けており、私も何度も訪れています。昨年はドラマ『愛の不時着』ブームを受け、北朝鮮に詳しい韓国の旅行会社の方などを招いて座談会を行いました。北朝鮮の一般の人々の暮らしは日本ではあまり馴染みがないこともあり、配信は80名近くのお客様にご覧いただきました。

 2週間に1回開催している『水曜ミュージカル』では、韓国のミュージカルへの出演経験のある日本人の俳優の方をお呼びして、稽古のエピソードなどを交えたトークショーを行っています。日本でも人気の韓流スターがミュージカルに出演するケースもあり、元々ミュージカルに興味のなかった新たなファンも増えつつあると感じています。

 また、こちらは私が以前からやりたかった企画なのですが、日韓の歴史を正しく学び、正しく議論ができればという思いから、韓国、北朝鮮の歴史に詳しい武井一氏を講師として迎えたオンライン講座も行っています。12回のシリーズを予定しており、1月に実施した第1回にはやはり80名ほどの申し込みがありました。

 もちろんまったく人が集まらない企画もありますが、沢山実施することで、そのうちのいくつかでもヒットすればいいと考えています。配信に集まってくださるのは、実はこれまで当社をご利用いただいていたお客様でなはなく、大半が新しいお客様です。50代以上のお客様はオンラインへのハードルもあってほとんど申し込みがなく、SNSなどから知っていただいた若い世代の方にご覧いただいています。コロナ収束後の新しい客層を生み出せたことは成果だと思っています。

-お酒にまつわるコンテンツも始められるそうですが、韓国にはどのような種類があるのでしょうか

立木 日本同様にお米を原料にした清酒もあれば、地方にはさまざまな銘柄の焼酎もあり、マッコリも蔵元によって味が異なります。私は特に焼酎が好きで、ソウルならチャミソル、プサンならチョウムチョロムやC1をストレートで飲みながら、タクハンマリというニワトリが丸ごと1羽入った鍋をつつくのが好きですね。コンテンツとしては韓国の大学でも講義をしている知り合いに協力してもらい、オンラインセミナーを企画しています。

-韓国旅行でのお薦めを教えてください

立木 旅行は「見る」ことにフォーカスされがちですが、美味しいものを「食べる」ことが1番ではないかと思います。料理を楽しむには、グルメの地として知られる南西部の全羅南道がお薦めです。朝鮮時代に官僚が流刑にされて食が発展した地域で、「豚の藁焼き」など焼肉ひとつを取ってもさまざまな食べ方があります。海も山もあるとても魅力的な場所ですよ。