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シェラトン・ワイキキ改装完了、今後はサービスなどソフト面も強化へ

  • 2020年1月27日
(左から)ぺドン氏、カラマ氏、田辺氏

 シェラトン・ワイキキ・ホテルはこのほど、2017年から続けてきた改修工事をほぼ終えたタイミングでキックオフ・パーティーを東京都内で開催、100人以上を超える旅行会社やメディア関係者らが出席した。同ホテル総支配人のトム・カラメ氏が本誌に語ったところによると、このたびのリニューアルは同ホテルの全宿泊客数の約6割を占める日本人客のニーズを考慮し、バスタブや洗面台などの水回りを中心に実施したことをアピール。今後も旅行会社との連携を強化しながら、グループ客の取り込みに一層の尽力をしていく。

 ワイキキビーチの中心に位置するシェラトン・ワイキキ・ホテルは日本人客の利用が多いホテルのひとつで、客室の改装も日本人客のニーズを意識。また「コンテンポラリー・ハワイ」をテーマの一つに据え、地元のデザイナーを採用し、ハワイらしさをアピールしている。客室数は128室のスイートを含む全1636室で、今回のリノベーションにより、洗面台をバスルームの外に出して切り離して使いやすさを向上したほか、トイレは100%温水洗浄便座、バスルームも100%バスタブ・ハンドシャワー付きとした。また一部客室のラナイは目隠しに工夫し、隣室のバルコニーが見えないよう遮断しプライベート感を高めている。

 マリオット・ホテルズ・ハワイ営業本部長アジア地区の田辺裕之氏によると、今回のリノベーションは総工費約2億ドル(約220億円)が投資されていることから、主要客層である日本人客のさらなる取り込みは重要課題のひとつ。カラメ氏は「すべての客層がターゲットではあるが、なかでもとくにファミリー層やウエディング、ハネムーナーなどのカップル層を重点的に誘致していきたい」と話す。

ヴァーレイ氏

 またマリオット・ワイキキ・リゾーツ営業企画部長のジム・ぺドン氏も、「ハード面の整備のあとは、日本語サービスの充実やスタッフの教育など人的サービスなどソフト面の強化にも力を入れていきたい」と話している。また近年のOTAの躍進に対して、ぺドン氏は「私どもの販売の中心は、旅行会社による送客。日本の旅行会社が長年ハワイに対して多大な貢献をしてくれていることを我々は理解している。今後もエージェントとの関係を主軸として、日本に対するセールスを行っていきたい」と述べた。

 なお冒頭であいさつしたハワイ州観光局日本支局長のミツエ・ヴァーレイ氏は「最終統計前ではあるが」と前置きしたうえで、2019年にハワイを訪れた日本人客は対前年比3.5%増となる約154万人となることを発表。そして2020年は「オリンピックのためどのような展開となるか見えづらい部分はあるが」としつつも、2019年秋からのハワイアン航空(HA)による福岡/ホノルル線就航、日本航空(JL)や全日空(NH)などによる成田・羽田/ホノルルの増便などで「航空座席が10%増加し、チャンスは大いにある。旅行会社の方々と協働で、ともに相乗効果を出していきたい」と力強く訴えた。同観光局では2020年はさらに4%増となる約160万人の日本人客をめざす考えだ。

※訂正案内(編集部 2020年1月29日10時33分)
訂正箇所:第3段落第1文
誤:今回のリノベーションは総工費約200億ドルが投資

正:今回のリノベーションは総工費約2億ドル(約220億円)が投資

お詫びして訂正いたします。