22年春にびゅうプラザ終了、ネット移行後の姿は-新社長に聞く

JR東日本「変革2027」で大胆なチェンジ
店舗は「顧客接点型拠点」に、商品はDPに集約

-取り扱う商品は、具体的にどのようなものに変わるのでしょうか

森崎氏 森崎 従来のびゅう商品は価格固定型のパンフレット商品で、ウェブサイトでも販売しているが、その際には紙のパンフレットの内容をウェブ化したものを掲載して紹介している。ただ、昔のパンフレットは今ほど料金などが細分化されていなかったが、現在では客室の稼働率とJRの料金の組み合わせによって設定が非常に細かくなったため、パンフレットはいつの間にか“料金表のお化け”のようなものになってしまった。こういったものは、インターネット販売に特化することで今後はもう必要なくなると言えるだろう。

 また、宿泊施設は旅行会社にブロック在庫をそれぞれ供給し、旅行会社がそれを販売してきたが、そのようなシステムでは、宿泊施設側は供給後に在庫を自らコントールできない。しかし、共通在庫システムの登場により、客室の価格は平日・休日・休前日などの決められたパターンから、繁閑の変化に合わせて可変することが常識となった。鉄道も繁閑にあわせて、さまざまな料金パターンを提供しており、JR東日本ではイールドマネジメントシステムを導入するなどして、柔軟なプライシングを進めている。

 そのような変化を受けて今後は、びゅうプラザや価格固定型のびゅう商品は廃止し、JRのきっぷと客室の価格変動にあわせた「ダイナミックレールパック」に絞って販売することとした。購入するタイミングによって価格は変化するが、お客様は「その時の値段」と自ら納得して、購入していただける世界になっていくだろう。

-宿泊施設からの反応はいかがでしょうか

森崎 宿泊施設にとって、JRの駅構内の店舗という“1等地”で自分たちの施設が露出されることはとても魅力的だったが、そのメリットは無くなることになる。しかし今後については「共通在庫システムと価格変動で、一緒に新しいことに取り組みましょう」と地域ごとに説明させていただいたことで、幸いにも賛同は得られている。また、パンフレット商品は廃止しても、地域の観光素材や契約施設の情報を提供するためのパンフレットやポスターなどは作成するつもりだ。

-旅行各社は店舗の収益性向上に苦心していますが、JR東日本グループではこれまで、びゅうプラザの役割をどのように位置づけてきたのでしょうか

森崎 店舗の収益性は販売商品の形態によって左右されるが、びゅうプラザについては収益性だけでなく、地域への貢献の役割も重視してきた。旅行商品も販売するが、まずは東日本エリア内の流動を高めるための役割が大きかった。

 JR東日本は東北や信越などに新幹線のネットワークを展開しているが、JR東海ほどビジネス需要が大きいわけではないので、観光目的のお客様もしっかりと取り込み、地域の宿泊施設などに送客することで地域創生に寄与してきた。その点で、他の旅行会社とは店舗の持つ意味合いが、少々異なると思う。