南ア、SNS活用でターゲット拡大、5年以内に日本人5万人へ

  • 2017年7月18日

ブラウワー氏  南アフリカ観光局は7月5日、都内で旅行業界を対象とした毎年恒例のワークショップを開催した。今年はダーバンおよびネルソン・マンデラ・ベイの両観光局のほか、ホテル、航空会社、ランドオペレーターなど計35社・団体が来日。会場を訪れた業界関係者と報道関係者は、前年を上回る266人に上った。

 冒頭のセミナーでは、南アフリカ観光局アジア太平洋地域プレジデントのブラッドリー・ブラウワー氏と、トレードリレーションシップ・マネージャーの近藤由佳氏が登壇。2017年1月から3月までの日本人旅行者数が前年比7.2%増の6585人を記録したことに触れたほか、今年をプロモーションにとって重要な年と位置づけ、テレビなどのメディアへの露出による認知度の向上や、ターゲットの拡大に注力する考えを強調した。

 具体的には、南アフリカを訪れる日本人旅行者の年齢層を、これまで核となってきたシニア層に加えて20代から50代にまで拡大すべく、Facebook、Twitter、Instagram、LINEといったソーシャルメディアの利用を進める。そのほかオンラインメディアを積極的に活用していく方針で、すでにトリッピースやトラベルズーなどとのコラボレーションにより、価格を抑えた旅行商品を開発。集客に結び付けている。
 
ワークショップの様子  ブラウワー氏は、来日したネルソン・マンデラ・ベイ観光局CEOのマンダカージ・スケフィーレ氏とともに共同インタビューに応じ、今後5年間で国内外からの旅行者500万人増をめざす同国の「5 in 5 観光成長戦略」に伴い、日本からの旅行者を5年間で5万人にまで増やす目標について説明。早期達成に自信を見せた。16年日本人旅行者数は前年比27.7%増の2万5802人。

 ブラウワー氏はそのほか、旅行者数の増加に貢献する可能性があるMICE市場については「南アフリカ国内には設備の整ったMICE施設が豊富にあり、団体の規模の大小に関わらず対応できる」と語るとともに、その前後に楽しめる観光素材の豊富さをアピールした。新たなデスティネーションとしては、陸と海の2つのサファリを楽しめるポートエリザベスを中心とする、ネルソン・マンデラ・ベイ地区を推奨した。

 長年の悲願とする南アフリカ/日本間の直行便の実現については、具体化はしていないものの、ヨハネスブルクを拠点とするオペレーターのアムロツーリズムによる羽田/ポートエリザベス間のチャーター便のアイデアがあることに言及。「旅行会社の協力が不可欠」とした上で、「ポートエリザベスで海と陸のサファリを楽しみ、ガーデンルートで人気の都市ケープタウンに移動する魅力的なコース」の実現に期待を寄せた。

 今後は、JATAアウトバウンド促進協議会の中東アフリカグループでパッケージツアーの販促をおこなっていくほか、9月に開催される「ツーリズムEXPOジャパン」にも参加。ツーリズムEXPOには、観光大臣のトコジレ・カーサ氏も来日する。