HIS、訪日通訳ガイドの仲介サイト開設、法改正受け

  • 2017年6月29日

「travee」のトップページ  エイチ・アイ・エス(HIS)は6月30日、先般の「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律案」の成立を受けて、訪日外国人旅行者と全国の通訳ガイドを結びつける仲介サイト「Travee(トラヴィ)」を開設し、通訳ガイドの募集を開始した。これまで訪日客向けの有償通訳ガイドは「通訳案内士」の国家資格を持つ人だけに認められてきたが、今後は無資格者も有償でガイドを務められるようになるため、2018年春頃と見られる法改正に備える。当面は日本語と英語でのみ展開するが、順次中国語版や韓国語版などを追加する。

 HISは今後、全国各地で約500の観光プランを作り、登録した通訳ガイドの情報とともにウェブサイトで紹介。改正法の施行にあわせて訪日客とのマッチングを開始する。通訳ガイドは自由に登録できるが、HISは品質管理に向けて面談や講習会などを定期的に実施する予定。

 語学力や接客力、知識レベルなどが一定の水準を超えるガイドはTraveeの公式ガイドとして承認する。訪日客は利用したガイドを5段階で評価。一方でガイドも、利用した旅行者を5段階で評価する。そのほかトラブル対応に備えて、電話相談窓口も設ける。

 初年度は有資格者と無資格者をあわせて公式ガイドを500人確保し、5000件のマッチングをめざす考え。ガイドについては地方自治体などとも連携して増加に務める。

 ガイドの報酬は、当初は1時間あたり3000円程度を想定するが、評価の高さなどにより変わる見込み。報酬の8割をガイドに支払い、2割を仲介手数料としてHISが受け取る。なお、すでに有償でガイドを務められる国家資格保有者についても、改正法施行までは登録のみ受け付け、施行後にマッチングを開始するという。