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復調の香港支える座席増、プロモーションも奏功ー「適正価格」注文も

テレビとSNSで需要喚起と刈り取り
LCC効果かレジャー需要が大幅増

テレビとSNS組み合わせが奏功

(左から)ヨン氏、今田さん、水原さん、ラム氏

 HKTBは現在、日本では30代から40代の働く女性をコアターゲットに設定して各種のプロモーションを展開しており、今年1月にはグローバルキャンペーン「BEST OF ALL IT'S IN HONG KONG」を日本でもローンチ。これは、香港人や香港通が自身の「BEST」な香港を紹介するもので、「グルメ」「トレンド」「ファミリー」「自然と文化」をテーマに設定。モデルで女優の水原希子さんと、寿司店「銀座久兵衛」店主の今田洋輔さんも香港通の著名人として起用している。(写真は1月の発表会のもの)

 また、情報発信に際しては、テレビ露出を重視。最近はBSを含めればほぼ毎月、全国ネットの番組で取り上げられているといい、さらにHKTBシニア・マーケティング・マネージャーの吉田美貴氏によると、「以前は定番の内容ばかりが紹介されていたが、新しいものを出してもらえるようになっている」という。

番組情報を伝えるHKTB公式Twitter(キャプチャ)

 そしてテレビの影響力は依然強く反響も大きいといい、HKTBとしては現在そこにFacebookページやTwitterなどを組み合わせることでさらに効果を大きくしようと努めている。HKTBのFacebookページは現在10万5000人以上が「いいね!」を押しているほか、Twitterも2万3000名超がフォロー。そうしたチャンネルを通して、例えば番組で取り上げられたツアーを紹介して実際の予約にまで結びつけるといった取り組みがうまくいっているという。


「オールド・タウン」で街歩き、中環・上環の歴史・文化に注目

「OTC」に点在するストリートアートのひとつ

 さらに、新しい展開としてこのほど、香港島の中環と上環のエリアを「オールド・タウン・セントラル(OTC)」と名付けて街歩きの魅力をアピールするプロモーションも開始。OTCは英国軍が初上陸した「ポゼッションポイント」がある場所でコロニアル様式の建築も多く残り、現在も香港の政治や経済の中心となっているが、骨董店が多くストリートアートもあちこちに描かれ、さらに路地裏散策も可能でグルメも揃うなど文化の面でも多層的な魅力を備えている。

 堀氏によると、同プロモーションはフリータイムの使い方やスケルトン型ツアーの中身を提案できるもの。特設サイトのほか、英語と中国語でガイドブックも制作しており、6月中に日本語版も完成予定だ。観光局の制作物としては珍しく個別の店を選択的に紹介するなど、より利便性を高めたという。

「大館」外観

 なお、HKTBがOTC内でこの数年露出を強化しているのが既婚警察官の宿舎をもとにした複合施設「PMQ」だが、中央警察署や刑務所であった建物を改装する「大館」も近く開業予定だ。