トリップアドバイザー、動物アトラクション販売中止-独業界も

▽愛護団体が勝利宣言-クオニイやTUIもキャンペーンに賛同

 観光産業による「残酷な野生動物アクティビティ」に反対するキャンペーン「Wildlife. Not Entertainers」を展開する動物愛護団体のワールド・アニマル・プロテクション(WAP)は、トリップアドバイザーの決定を受けて勝利を宣言。こうした活動によって、すでにトリップアドバイザーに限らず、英国のクオニイトラベルやTUIなど100社以上がエレファント・ライドを扱う施設を顧客に提案しないことに同意しているという。

 またドイツ旅行業協会(DRV)も会員の旅行会社に対して、「エレファント・フレンドリー」なアトラクションの判定基準を伝えるとともに、旅行者に対して象との直接的な触れ合いや、絵を描く象や象によるポロなどの不自然なアクテビティへの参加を提案しないことを推奨し始めた。

 WAPでは、エレファント・ライドや虎との写真撮影、イルカショーなどを「野生動物にとって最も残酷な旅行アトラクション」であると判断。例えばエレファント・ライドに従事させられる象たちは幼いうちに母親から隔離され、拘束され、非情な苦痛を強いられ、食事や水も制限されるといい、旅行者の前では穏やかに見えたとしてもそれは精神が崩壊しているためだと説明している。

 また、WAPはトリップアドバイザーに対しても今回の決定では不十分との考えを明らかにしており、一例としてシーワールドなどの「野生動物に演技をさせるために、生涯にわたって虐待と多大なストレスを与え続ける」アトラクションの販売は取りやめるべきとだという。

 なお、WAPは前述の100社以上の旅行会社について「エレファント・フレンドリー」であるとして国別に公表しているが、現時点で日本の項目は存在しない(PDF)。