現地レポート:南ア・ダーバンから訪れる大自然

  • 2016年6月14日

クワズールー・ナタール州の多様な魅力
サファリやハイキング、リゾート滞在など

ドラケンスバーグ山脈でハイキングと岩絵を楽しむ
少年合唱団の鑑賞はここだけの魅力

メインケーブへのルートの途中には椅子があって休憩しながら歩ける  ダーバンを拠点としたもう1つのスポットが、西に車で約2時間半のドラケンスバーグ山脈だ。3000メートル級の山が連なるドラケンスバーグ山脈は、切り立った崖と渓谷の雄大な景色が楽しめるだけでなく、この地に暮らしていたブッシュマンが描いた岩絵が3万点以上も残され、古いものは2400年以上前に遡る。その文化的価値から、ユネスコの世界複合遺産に登録されている。

「約3000年前の絵が残されている」と説明する専門ガイドのタンデガさん  岩絵はドラケンスバーグ山脈に点在する約600の洞窟にあると言われている。洞窟でキャンプをしながらトレッキングで辿るハードなツアーもあるが、一般の観光客でもアクセスしやすいのがジャイアントキャッスルにあるメインケーブ。岩絵に向かう整備された片道1.5キロメートルの道のりは風光明媚で、川のせせらぎと鳥の声を聞きながら歩くのはとても気持ちが良い。途中には、ブッシュマンが崇め、岩絵に描いた動物のエランドなどが遠くに姿を見せる。

40倍以上の応募者から選ばれた子どもたちが学んでいる  ドラケンスバーグ山脈を訪れるもう1つの大きな魅力がドラケンスバーグ少年合唱団のコンサートだ。9歳から15歳の少年が寄宿舎で生活しながら音楽を学ぶ名門の少年合唱団で、600席のホールで毎週水曜日にコンサートを開催している。歌声の美しさはもちろん、ポップスから民族音楽まで自分たちで振付をおこない、極めてエンターテイメント性が高い舞台を披露する。

山に囲まれたドラケンスバーグ・サンリゾート  来年7月には来日する予定だが、フルメンバーの演奏が楽しめる現地で聴く価値は大いにある。今回の研修旅行に同行した南アフリカ観光局アジア太平洋地区プレジデントのブラッドリー・ブラウワー氏は、「黒人と白人、アジア人が一緒に歌う姿は11の言葉が共存する南アフリカの象徴」と絶賛する。

ドラケンスバーグ・サンリゾートでは敷地内を歩く各種ハイキングルートを設定。コースによっては3時間以上かかり、ややハードルが高い  24万ヘクタールもあるドラケンスバーグ山脈を満喫するには宿泊するのがベスト。中央部に位置するドラケンスバーグ・サンリゾートでは、宿を拠点に各種アクティビティが楽しめる。山脈を空からヘリコプターで俯瞰したり、乗馬を楽しんだり、広大な敷地内のハイキングコースを歩いたりとアクティブに過ごすのもいいし、スパでくつろぐのもいい。

今回、参加した旅行会社からは「治安がよくなっているのを実感した」「家族連れで来られるリゾートがあることがわかった」といった声が聞かれた。これまでとは違う魅力的な素材を打ち出した、新しいパッケージツアーの造成に期待したい。


取材協力:南アフリカ観光局
取材:平山喜代江