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双方向交流に向け海外旅行振興へ、若者と地方を国際化-EXPOより

異文化交流で海外を身近に、修学旅行や姉妹都市提携など活用

訪日の地方誘客に向け「外国語アレルギー」軽減へ、姉妹都市など提案

在日米国大使館商務部上席商務官の百合・アン・アーサー氏  一方、地方の国際化については、課題となっている訪日外国人旅行者の地方への誘客を中心に議論した。現在、訪日外国人旅行者が急増しているものの、そのほとんどがゴールデンルートなどの大都市圏を訪問。空港別の外国人入国者数を見ても、全体の約7割が羽田、成田、関空を利用している。泉田氏は「地方にとって観光業は生活の糧となる産業」であるにも関わらず、現状は「地方に外国人は来ない。双方向交流と言われているが、地方にとってはハードルが高い」と説明した。

 地方への誘客に向けて、泉田氏は「グローバルスタンダードを理解した人材がどれだけいるかが重要になってくる」と強調。旅行業に携わる一部の人間は外国語でのコミュニケーションに尻込みしないものの、多くの日本人は「外国語アレルギー」を持っていると指摘し、外国語アレルギーを軽減させるためには海外旅行に行き、外国語に触れることが重要と説いた。

 また、アーサー氏も今後の課題として、日本全域における宿泊地や観光施設のサービスの強化、外国語での交通情報の発信などが必要と指摘。これらはすべて「コミュニケーション力により向上させることができる」と話し、海外旅行に行き異文化を体験することでコミュニケーション力の向上が見込めるとした。

 地方の国際化に向け、アーサー氏は姉妹都市提携を提案。現在、日本は海外の地域と1684件の姉妹都市提携を締結しているが、姉妹都市提携を結んでいる場合は企業が交流を支援することが多いため、比較的安価な値段で海外旅行に行くことが可能になると説明し「姉妹都市提携は異文化を身近に感じることができる。学生だけでなく幅広い年齢層の方が海外との接点を持つことができる」とアピールした。

 このほか井上氏は、JATAの今年の政策提言で地方空港の国際化とチャーター便の誘致を提案する「国際化による地方創生」を掲げた旨を説明。日本には全国各地に空港があるものの、国際線の便数は非常に少ないことから、地方空港発の国際便を誘致し、海外旅行需要を開拓することで「地方創生に貢献できるのでは」と期待を示した。