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成田中間は増収減益、外国人増でリテール好調-通期は上方修正

  • 2014年11月16日

 成田国際空港(NAA)によると、2015年3月期中間決算(2014年4月1日~9月30日)で、営業収益は外国人旅客の増加でリテール事業が好調に推移したことなどが奏功し、前年比0.6%増の1000億円と増加した。一方、営業利益は機材小型化や国際線の日本人旅客の減少による空港運営事業の減収が響き、6.0%減の219億円。経常利益は4.7%減の191億円、当期純利益は10.0%減の115億円となった。

 航空取扱量では、総発着回数や国際線外国人旅客数、国内線旅客数などで開港以来過去最高を記録した。発着回数は2.4%増の11万6000回で、国際線は0.5%増の9万回、国内線は9.5%増の2万6000回。一方、旅客総数は1.0%減の1793万人で、国際線は4.7%減の1487万人、国内線は22.0%増の306万人だった。国際線のうち外国人旅客は12.0%増の517万人と増加するも、日本人旅客は円安に加えタイ、韓国、中国の需要の落ち込みなどで14.0%減の695万人に。通過客も5.5%減の275万人と減少した。

 空港運営事業は、営業収益が3.2%減の517億円、営業利益が28.7%減の49億円の減収減益となった。NAAによると発着回数は増加したが、機材の小型化などに伴う平均着陸重量の減少などで空港使用料収入、給油施設使用料収入が減収。国際線の日本人旅客が2桁減となり、旅客施設使用料収入が減ったことも影響した。

 リテール事業は営業収益が8.2%増の312億円、営業利益が8.0%増の94億円。国際線の外国人旅客の増加や店舗増床、リニューアルなどで子会社の物販・飲食収入、一般テナントからの構内営業料収入が増加した。NAAによると外国人、特に台湾、香港を含む中国人旅客がリテール事業の増収増益に貢献しており、1名あたりの購入単価を比較すると、中国人は日本人の約1.7倍だという。

 また、NAA代表取締役社長の夏目誠氏は、上期の空港内免税店や物販店、飲食店の売上高について「10%増の453億円と当初の見込みを大幅に上回った」と報告。さらに、民営化後初めて非航空収入が航空収入を上回ったことを報告し、「大きな意義がある」と喜びを示した。

 NAAによると、13年度は航空収入と非航空収入は50:50だったが、中間期は49:51となり、通期でも同様の比率となる予想だ。夏目氏は、航空業界では燃費の良い新型の小型機で多頻度運航をおこなうという大きな流れがあることから、航空収入が伸び悩む傾向は今後も続くと説明。その上で「着陸料などの航空収入に偏った収支構造を改め、非航空収入を増大させていく」方針を強調し、引き続きリテール事業強化に取り組む考えを示した。

 このほか、施設貸付事業は営業収益が0.5%減の156億円、営業利益は0.2%減の73億円。鉄道事業も営業収益が0.4%減の14億円、営業利益が0.9%減の3億円とほぼ前年並みだった。


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