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今後50年の旅行の姿、生き残りのキーワード-JATA経営フォーラム

  • 2014年3月25日

 世界の交流人口の拡大、加速度的に高まるデジタル化のなか、グーグルでは旅行業界について「あらゆる業界で最も未来が明るい」として最も期待を寄せているという。しかし、旅行会社はIT化を受けて、自ら拡大してきた海外旅行市場で新たな局面に立たされている。これからの50年に向けて旅行会社が生き残るための方策、目指すべき姿は何か。JATA経営フォーラム2014分科会A「今後50年の海外旅行における旅行業ビジネスを考える」では、旅行に関わる各分野の代表者が専門的な立場で、将来展望と生き残りへのキーワードを語った。

モデレーター
エヌオーイー 代表取締役会長 林田建夫氏

パネリスト
グーグル 広告営業本部統括部長 陳内裕樹氏
航空経営研究所 取締役副所長 牛場春夫氏
クラブツーリズム 営業本部海外旅行部長 手塚秀一氏
ワールドトラベルシステム 専務取締役 営業本部統括 神田貴宏氏
ミキ・ツーリスト 代表取締役社長 檀原徹典氏



デジタルシフト、航空環境の変化で変わる旅行
旅行会社と旅行者の実像に隔離

グーグルの陳内裕樹氏

 この先50年の旅行市場を展望する前に、「いかに世界の旅行者が変わったか知ってほしい」と、現在の旅行者の姿を提示したのはグーグル広告営業本部統括部長の陳内裕樹氏だ。

 陳内氏によると今や世界の4人に1人がインターネットを利用し、Eコマースは21.1%増の100兆円に拡大。世界中の人と人、モノがインターネットで繋がる時代になっており、すでに旅行では「世界の海外旅行者全員が、意識しなくてもウェブを使用」。2025年には、ネットユーザーの数は世界で50億人に倍増すると予想されている。

 さらに陳内氏は、旅行はデジタルシフトが進む業界であり、今よりも変わると説明。例えばグーグルが開発したウェアラブルPC「グーグルグラス」は、画面ではなく見るものすべてがデジタル化し、音声コマンドで行動しながら操作や情報収集ができる。地図や建物内の位置情報も容易に把握でき、翻訳機能で言語の障壁を取り払う、「旅行のスタイルを変えるものとなる」という。

 海外旅行に欠かせない航空産業にはどのような変化が訪れるか。航空経営研究所・取締役副所長の牛場春夫氏は、2020年までに世界の空港の80%の無人化をめざすIATAの「FAST TRAVEL」で、チケットやパスポートが不要の旅行が到来。ビザも緩和化が進むという。また、航空機はエアバスの長期予想では交流人口の増加により、100席以上の民間ジェット機が2032年には倍増。現在の小型・中型機化のトレンドから長期的には大型化、特にワイドボディが増加するとしており、牛場氏も「世界的に空港の発着枠が不足する中、大型機に戻るのは正しい」と予測に同意を示した。

 さらに機能的にはボーイングB787型機のように新素材による機材の軽量化や新型エンジン、エコ燃料の開発も進む。これによりナローボディの航続距離が増し、フライト時間も短縮。燃料等のコストも削減され、その結果「航空運賃は低下し、ナローボディに強いLCCがネットワークを広げていく」と展望。さらに、騒音の低下で夜間発着が拡大する可能性や、コンコルドを超える極超音速輸送機、発着枠不足に対応できるオスプレイの民間航空機版の登場なども考えられるとし、インフラの変化による旅行への影響の可能性を示す。