KNT-CT、中期計画を策定、シナジー最大化へ-グローバル強化も

  • 2013年2月17日

KNT-CTホールディングス代表取締役社長の戸川和良氏  KNT-CTホールディングスは2月15日、2015年までの3ヶ年の中期経営計画を発表した。同日開催した記者会見で、同社代表取締役社長の戸川和良氏は「経営統合に伴い、近畿日本ツーリストとクラツーとの連携でしか実現できない、旅行業を中心とした夢、感動を創出するビジネスを深化させ、広く社会から信頼される企業となることをめざす」と意気込みを述べた。15年の目標では売上高(※総額)4850億円、営業利益58億円、当期純利益30億円をめざす。

 中期経営計画では、中期ビジョンとして「世界中の人々の夢と感動のため、私たちは常にチャレンジします」を定め、旅行による夢や感動の創出、グループ各社の自立経営、連携強化の促進を実施。近畿日本ツーリスト(KNT)の強みであるブランド力や営業力と販売ノウハウ、ネットワークと、クラブツーリズム(クラツー)の持つマーケティング力や多彩な商品企画力、無店舗販売による低コスト経営などの強みを最大限に活かし、シナジー効果の最大化をはかる。創出した利益は、持続的成長に向けた投資や財務基盤の強化、株主への早期還元に費やしていく方針だ。

 重点施策としては、営業シナジー効果の最大化、アジアを中心としたグローバル事業の展開、管理部門の効率化によるコスト圧縮、人材の活用と活性化、経営戦略機能の強化の5点を設定。営業シナジー効果の最大化では、個人事業部門でクラツーの強みであるマーケティングや商品企画のノウハウを活用し、個人旅行事業の変革をはかる。また、KNTブランドや店舗網を活用した、クラツーでの新規顧客の獲得を展開する。そのほか、自治体関係需要の掘り起こし、開発や、グループ各社、部門を超えた事業展開もおこなっていく。

 グローバル事業では、海外現地法人とクラツーが連携して事業を展開。現在中国、韓国、香港、台湾、タイにある拠点をいかし、アウトバウンドで現地手配を強化するとともに、インバウンドでもクラツーの国内バス旅行と連携をはかっていきたいとした。また、拠点がない地域では現地企業との提携により新規開発をはかる。アジア地域で検討しているといい、戸川氏は特にインドやインドネシアについて可能性を感じていると述べた。

 管理部門の効率化によるコスト圧縮では、業務フローの統一促進や、ITを中心とした設備投資計画の最適化、管理費用の削減を実施。最終的には20億円程度を合理化する見通しだ。また、人材の活用と活性化では、カウンター業務、企画や造成などの人材育成をはかり、グループ全体で年間5億円程度を費やして海外研修を含む研修を積極的に実施。人材交流もおこなっていく。経営戦略機能の強化では、持ち株会社体制移行にともない、全社最適での的確な経営判断と機動的な意思決定をめざすとした。さらに、コンプライアンスやリスク管理などを徹底していく。


※2013年12月期から従来の純額表示から総額表示へ変更する予定

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