トップインタビュー:JATA会長 菊間潤吾氏(前)

2013年は2000万人への足がかり
「価値創造元年」に

-2013年に注力したいポイントは何でしょうか

菊間 旅行会社が市場を作っていくような動きを応援したい。例えば、チームヨーロッパは、旅行会社がもう少しデスティネーションやその国の文化などに向い合って、価値あるものを作るために、1ヶ国の政府観光局などではなかなかできないようなムーブメントを作りたい。

 観光局ができるのは1ヶ国のプロモーションだが、これを何ヶ国かまたいだ形でのルートづくりをしたり、あるいは観光局がその国を総花的にプロモーションしなければならない中で、ピンポイントでのプロモーションをしたりしていく。プランナーの人たちも少し行き詰まっている部分があると思う。そういう人たちへのお手伝いになるような材料提供をしたい。

 また、冬のオフシーズンは価格訴求型の商品ばかりになるが、お客様に価値を見出していただけるようなものがいくつもあるはず。そういったことをJATAが中心となってやっていく。これが成功すれば他の地域にも波及していくだろうし、結構面白い展開ができるのではないかと期待しており、率先してやっていく。

 このほかにも、旅行会社スタッフのスキルアップや安心安全コンプライアンスの問題などいろいろある。私は中小の立場で会長職に就いたが、私の後に中小から会長が出るのは、従来通りであれば最低でも15年、20年先の話になるだろう。中小の目線でJATAに整備してほしいものについては私の任期中に整えておきたいと思っており、やらなくてはならないことはものすごく多い。


>>>後編、“安易なものづくりから脱却へ 知識や商品力の向上に取り組む”に続く
 トップインタビュー:JATA会長 菊間潤吾氏(後)